2023年2月25日(土)
外国人元実習生の孤立死産事件
弁護側 無罪を主張
最高裁弁論
![]() (写真)弁護団とともに報告する主任弁護人の石黒大貴弁護士(左端)=24日、衆院第1議員会館 |
妊娠を誰にも言えず孤立死産したベトナム人元技能実習生のレー・ティ・トゥイ・リンさん(24)が死体遺棄罪に問われ、無罪を主張している事件の上告審で、最高裁第2小法廷は24日、弁論を開きました。弁論は二審の高裁判決を変更するための手続きで、福岡高裁の有罪判決を見直す可能性があります。
リンさんは2020年11月15日午前、熊本県内の実習先の自宅で双子を孤立死産。翌日夕方に医者に死産を報告するまでの1日と9時間、安置のためにとった行為が、「遺棄」にあたるかどうかが争点となっています。
リンさんの弁護人、石黒大貴弁護士は、福岡高裁の判断を批判。孤立死産という過酷な状況に陥った母親の行動の中に、習俗上の葬祭の意味を見いだすことができなければ、死体遺棄を認めるという内容になっていると強調。「高裁判断は、本来、福祉により保護されるべきである孤立死産直後の母親たちを、刑罰によってさらに孤立へと追い込むもので、著しく正義に反する」として、無罪判決を求めました。
検察側は、「本件の本質は被告人による妊娠・分娩(ぶんべん)の事実の隠匿行為」と述べて上告の棄却を主張しました。
弁論のあと、衆院第1議員会館で、「無罪判決を求める院内集会」が開かれました。リンさんは、「妊娠して悩んでいる女性に刑罰を加えるのではなく、相談でき、安心して出産できるような保護される社会に変わってほしい」と語りました。日本共産党から本村伸子衆院議員があいさつしました。









