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2023年2月25日(土)

強制不妊 国に賠償命令

除斥期間の適用制限

静岡地裁判決 旧優生保護法は違憲

聴覚障害の原告

写真

(写真)静岡地裁に向かう弁護士や支援者ら=24日、静岡市

 旧優生保護法(1948年~96年)下で行われた強制不妊手術は違憲で、国は被害者の救済措置を怠ったとして聴覚に障害のある静岡県在住の女性が国に損害賠償を求めていた訴訟で静岡地裁(増田吉則裁判長)は24日、旧法は差別的な思想に基づき憲法違反だとして国に計1650万円の支払いを命じました。不法行為から20年で賠償を求められなくなる民法の「除斥期間」の適用を制限し、原告の訴えを認めました。

 判決は原告が1970年10月ごろ手術を受けたと認定しました。

 旧法については、子を産むか否かについて意思決定する自由を侵害するものであり憲法13条(幸福追求権)に反すると指摘。特定の障害または疾病を有する人を差別的思想に基づいて不合理に取り扱うものであり憲法14条(法の下の平等)に反すると判断しました。

 当時の厚生大臣は、憲法に反することが明白な旧法に基づく手術をしないようにすべき注意義務に違反して、手術を推進する施策を実施したとして国家賠償法上の違法性が認められると指摘。国が、全国的かつ組織的な施策によって優生手術を強いられた事実を知り得ない状況をことさらに作出し、そのために原告は事実を知ることが出来なかったとして、「除斥期間」の効果を「制限するのが相当」としています。


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