2023年2月24日(金)
入管法改悪 反対の波
国に帰れない人を追い出すなんて
岸田文雄政権が通常国会への再提出を狙う入管法改定案に反対する全国一斉アクションが23日、各地で取り組まれました。
仮放免者に在留資格を 東京
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東京・上野では「入管の民族差別・人権侵害と闘う全国市民連合」がデモを行い、約400人が「入管法改悪反対」「仮放免者に在留資格を」と声を上げて歩きました。
デモ隊の先頭は、BOND(外国人労働者・難民と共に歩む会)の若者たちです。大学4年のメンバー(22)は「入管が送還忌避者と呼ぶ人たちの大半は、母国に帰ると命の危険があったり、日本に家族がいたり、日本に生活基盤があるなど、帰国できない事情を抱えている。そうした事情は罰則や新たな規則によって変わるものではない。送還忌避者を追い返そうとする入管法改定案を絶対に阻止したい」と強調しました。
「長期収容やめろ」「難民認定と保護を」と書かれた参加者のプラカードを見て、その場で隊列に加わる人もいました。
デモに参加した50代の女性は、仮放免中で就労が禁止されているクルド人の夫について「日本に来て14年、結婚して8年になります。日本人の配偶者として在留資格を認めてほしい」と訴えました。
名古屋入管で収容中に死亡したスリランカ人のウィシュマ・サンダマリさんの妹、ポールニマさんも参加。「入管は飢餓状態になった姉に点滴をさせず、死に追いやった責任を認めていない。そのことを何も反省していないのに、収容や送還に関する入管の権限を強くする法案を提出することは許せない」と声を上げました。
東京都港区と茨城県牛久市の入管施設に収容されている外国人の悲痛なメッセージも代読されました。
昨年9月のデモにも参加した大学2年生(20)は「入管施設で人間らしく生きることが保障されない人、働きたいのに就労が許可されない人もいる。そうした状況を一刻も早く改善することが必要。入管法改定案は、当事者を救うどころか追い詰めることになる。私たちが声を上げて変えていきたい」と語りました。
学生、市民、弁護士が 大阪
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「入管法改悪の法案再提出反対」「仮放免者に在留資格を」を掲げる全国一斉アクションの大阪行動が23日、大阪市北区で取り組まれ、学生、市民、弁護士ら150人がデモ行進しました。主催は「入管の民族差別・人権侵害と闘う全国市民連合」。
一昨年に名古屋入管の収容施設で死亡したスリランカ人ウィシュマ・サンダマリさん=当時(33)=の来月6日の命日を前に、追悼の花を手に行進する人もいました。
出発前の集会で「TRY」(外国人労働者・難民と共に歩む会)の大学3年生は、難民や未成年の外国籍住民など国籍国に帰れない事情がある人たちを日本から追い出すために在留資格を出さず、無期限の長期収容などを行う国を批判。「送還のための新たな法的手段をつくらせてはなりません。政治家が変わるのを待つのでなく、私たち主権者、市民・学生一人ひとりが議員や政治を変える」と述べ、声を上げようと呼びかけました。