2023年2月24日(金)
きょうの潮流
燃える建物や戦車、助けをもとめて涙を流す少女。なかにはちぎれた手足から、鎖のようなものが垂れ下がるロボットみたいな人間の姿もありました▼ウクライナの子どもたちが描いた絵です。長引く戦火のなかで抱えてきた思い。色づかいや表情には、深く傷ついた心が投影されています。苦しみや悲しみを正直に表した描写とともに天使の絵も目につきました。ひたすらに平和をねがう気持ちを込めて▼すべてが変わってしまったあの日から1年。おだやかな日常とたくさんの幸せがロシアの軍事侵攻によってうばわれてきました。国内にとどまっている人も、難民となって国外にのがれた人も、母国が戦場と化した悲劇はつづいています▼いまだ終わりのみえない戦争。プーチン大統領は祖国を守るためと改めて侵略を正当化し、愛国心をあおり国民に団結を強いています。他国の主権と領土を力でふみにじる。もう、こんなことが通用する世界ではないのに▼いま国連総会ではこの問題についての緊急の特別会合が開かれています。グテレス事務総長は人道的にも人権的にも重大な結果をもたらしたとロシアの行為を改めて非難しながらこう訴えました。「戦争は解決策ではない。真の平和は、国連憲章と国際法に基づくものでなければならない」▼ウクライナの外相も各国に国連憲章や国際法の側に立ってほしいと呼びかけました。「ただ、平和にくらしたいだけ」。外相の言葉は、やすらかな日々を待ち望んでいる人々の切なる思いです。








