2023年2月23日(木)
沖縄・奄美 弾薬庫増
南西諸島の戦場化加速
23年度方針
防衛省はこのほど、2023年度に奄美大島の陸上自衛隊瀬戸内分屯地(鹿児島県瀬戸内町)と、先島諸島の保良訓練場(沖縄県宮古島市)に弾薬庫を増設する方針を本紙の取材に対し、明らかにしました。
政府は、「国家防衛戦略」など安保3文書に基づき、「継戦能力」を強化するために弾薬庫を増設する方針。弾薬庫の「島しょ部への分散配置」を重視しており、沖縄・奄美など南西諸島の戦場化を加速させる動きです。
奄美・宮古には中国艦船への攻撃を想定した12式地対艦誘導弾が既に配備されています。政府は敵基地攻撃能力の一環として、12式地対艦誘導弾の長射程化を狙っています。
また、同省は海上自衛隊の横須賀地方総監部(神奈川県横須賀市)や舞鶴地方総監部(京都府舞鶴市)などで弾薬庫の関連施設を整備する方針を示しました。
浜田靖一防衛相は17日の会見で、23年度に海自大湊地方総監部(青森県むつ市)と陸自大分分屯地(大分市)に大型の弾薬庫を2棟ずつ設置すると表明。さらに、6棟程度を新設する方向で調査を進めます。
これらは長射程の敵基地攻撃兵器(スタンド・オフ・ミサイル)の保管にあてるとみられます。防衛省は23年度予算案に、大型弾薬庫の整備費58億円を計上しています。