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2023年2月22日(水)

きょうの潮流

 「新しい戦前になるのでは」の危惧、それが絵空事ではないという不安。八十年前、一人の青年学徒が近づく世界大戦の忌まわしい気配を感じつつ、「青春ノート」に思いをつづりました▼「一九一四年戦争を舞台とするある長編小説を読みながら…歴史は繰りかえすの感を強くした。一九四〇年はいかに一九一四年に似ていることか」。フランスの小説『チボー家の人々』を自ら翻訳しながら読んだ加藤周一です▼作家、野上弥生子は1937年の年頭に寄せた新聞コラム「一つのねぎごと」で「どうか戦争だけはございませんやうに」と。戦争だけは…の切実な思い。戦争前夜のひりひりした緊迫感が伝わってきます▼「反共は戦争前夜の声」と訴えた蜷川虎三京都府知事。1950年4月3日、知事選挙さなかの吉田内閣打倒大会で「彼らはその反動性を隠すために、反共を叫んでいる。歴史を振り返るまでもなく、反共は戦争前夜の声であり…戦争への道である」▼下山事件、松川事件…共産党を狙い撃ちにしたでっち上げ事件や「共産主義者は大学教授足りえず」などとレッドパージの波が職場や学園に吹き荒れた時代。朝鮮戦争の開始目前の、まさしく戦争前夜のことでした▼いま、岸田自公政権の大軍拡計画推進の動きと軌を一にするように、大手メディアによる共産党バッシングの嵐が。「戦争の準備より平和の準備を」(加藤周一)と大軍拡と対峙(たいじ)する共産党を攻撃して、どこに導こうというのか。その姿勢が厳しく問われています。


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