2023年2月20日(月)
米中外相 気球巡り応酬
撃墜後初会談 台湾平和を強調
【ワシントン=島田峰隆、北京=小林拓也】ブリンケン米国務長官と中国外交トップの王毅(おう・き)中国共産党政治局員は18日、ドイツ南部のミュンヘンで会談しました。米国務省の発表によると、ブリンケン氏は中国の気球の飛来について再発防止を要求。台湾海峡の平和維持の重要性も強調しました。
会談は非公開の場所で行われました。両氏の会談は、米軍が4日に南部サウスカロライナ州沖で中国の気球を撃墜してから初めてです。
国務省によると、ブリンケン氏は気球について「受け入れられない主権侵害であり国際法違反だ」と指摘。「この無責任な行動を二度と起こしてはならない」と求めました。
中国国営メディアによると、王氏は、気球問題に関する「中国の厳正な立場」を表明。米国に対し「やり方を根本から改め、武力を乱用して両国関係を損なったことを直視して解決すべきだ」と求めました。
ブリンケン氏は、米国の「一つの中国」政策に変わりはないとし、「台湾海峡の平和と安定の維持の重要性」を強調しました。
ウクライナを侵略するロシアに関しては、中国が「物資の援助」をしたり「体系的な制裁逃れ」を行ったりすれば「結果を伴う」と警告しました。
ブリンケン氏は北朝鮮の18日の弾道ミサイル発射を非難したうえで、「責任ある大国が国際的な課題に対応する必要がある」と呼び掛けました。
また「米国は中国との紛争を望まず、新たな冷戦も求めていない」と改めて強調。「常に外交的対話や開かれた対話のラインを維持することが重要だ」と述べました。








