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2023年2月17日(金)

「朝日」コラムにあらわれた“反共主義という呪縛”

 「朝日」16日付コラム「序破急」で村上太輝夫・国際社説担当が、松竹伸幸氏への除名処分にかかわる論稿を掲載しました。表題は「『民主集中制』という呪縛」です。

 一読して強烈な違和感を覚えました。

 「朝日」は8日付社説で、松竹氏の処分にかかわる事実経過をゆがめ、日本共産党に「異論を許さぬ強権体質」などの悪罵を投げつけました。これに対し、本紙9日付の中祖寅一政治部長の論説で、松竹氏の処分は、同氏が党の外から規約・綱領を攻撃し、分派活動を行ったことによるもので、それをゆがめての党攻撃は事実に基づく公正な報道を自ら投げ捨てる行為であることを指摘。また、公党の自主的・自律的な組織運営に対する大手新聞の攻撃は、憲法第21条の「結社の自由」に対する乱暴な侵害行為であることを明らかにしています。

 ところが、今回の「朝日」コラムは、そうした本紙の指摘に何ら答えることもなく、引き続き、松竹氏の処分を異論封殺と描く記述に終始するなど、事実の歪曲(わいきょく)を無反省に続けています。また、日本共産党の指導部選出の方法についても、憲法にもとづく批判にも沈黙したまま、「結社の自由」への介入、民主主義破壊の行動を続けています。言論機関としての良識を疑います。

 さらに、同コラムは、日本共産党の組織原則である民主集中制に問題があるかのように言い立て、同じ言葉を規約や憲法で用いている中国共産党の事例を持ち出し、日本共産党を中国の党・政府と同列視する議論まで展開しています。

 日本共産党の組織原則である民主集中制は、日本共産党自身の歴史的経験のなかでつくられ、発展してきたものです。党内での民主的な討論や少数意見の留保を保障しながら、全党の主張・行動の統一を図るもので、そもそも「異論排除」や「上意下達」とは無縁です。

 しかも、党は、民主集中制は自発的な意思によって結ばれた結社の内部的ルールであり、それを社会に押しつけることは決してしないことをたびたび強調しています。

 日本共産党が中国の言論弾圧、香港・ウイグルなどでの人権抑圧を厳しく糾弾し、それは「社会主義」や「共産党」の名に値しないと批判していることは、国際社説担当なら周知のはずです。

 「真実を公正敏速に報道し、評論は進歩的精神を持してその中正を期す」―これは、「朝日新聞綱領」の一節です。こうした理念をかかげている「朝日」が、反共メディア同様の、事実も道理も無視した共産党攻撃を繰り返す姿は、異様と言わざるを得ません。

 日本の大手マスコミには戦前、“反共主義の呪縛”にとらわれて日本共産党を「国賊・非国民」と扱う一方、軍国主義に迎合し、国民を誤導して戦争に駆り立てた痛苦の教訓があるはずです。「朝日」「毎日」などが今行うべきは日本共産党への攻撃ではなく、岸田政権の敵基地攻撃能力の保有や大軍拡路線に対する正面からの批判ではないでしょうか。(党政策委員会・谷本諭)


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