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2023年2月14日(火)

主張

トルコ・シリア地震

国際社会は命救う支援を急げ

 トルコ南部を震源に発生した6日の大地震から1週間がたちました。死者数は隣国シリアと合わせて3万5000人を超え、日を追って増え続けています。被災者は二千数百万人といわれ、悲惨な大災害となりました。現地は気温が零下となる厳しい寒さです。国際社会による迅速な支援が必要です。日本共産党も緊急支援募金を呼びかけています。国際機関などに届けます。多くの方々のご協力をお願いします。

避難所、医療、食料を

 トルコの被災地を訪問した国連人道問題調整事務所のグリフィス事務次長は、犠牲者が両国合わせて5万人を超えるおそれがあるとの見解を示しました。

 これまで両国が発表した死者数のうち約3万人がトルコです。倒壊した建物が多く、下敷きになった人を救出するため、日本を含め各国が救助隊を派遣しています。余震に阻まれて活動が困難を極めるなか、生存の可能性が低くなるといわれる被災後72時間を過ぎた後も救出が相次いでいます。時間とのたたかいです。

 国連のグテレス事務総長は、支援を届ける手段の確保と、資金援助を強調しています。

 避難所、医療、食料、飲料水、トイレ、電気などが緊急に求められています。専門的なスタッフの派遣も欠かせません。

 国際機関や各国政府が緊急支援を次々に発表していますが、物資を届ける活動は被害の甚大さに追いついていません。被災者は資材を集めて小屋を建てて、たき火で暖をとり、「毛布、テント、寝袋が足りない」と訴えています。

 トルコには多くの活断層があり、過去多くの大地震が発生しています。自然条件に加えて被害を大きくしたのが12年にわたって続くシリア内戦です。

 内戦は外国の介入で長期化、複雑化しました。2011年3月に起きた反政府デモをアサド大統領の政権が武力で弾圧し、サウジアラビアやトルコが反政府勢力を支援して内戦に陥りました。ロシアとイランはアサド政権を支援しています。15年からはロシアが軍事介入しています。

 その結果、この地域では「世界最多」(グテレス事務総長)といわれる難民、国内避難民が発生しました。国連によると、360万人以上のシリア難民がトルコで厳しい生活を送っていて、その多くが被災しました。

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のシリア駐在代表は「震災前の国内避難民は680万人にのぼり、多くが脆弱(ぜいじゃく)な家屋で暮らしていた」と語っています。12日までに公表されたシリア側の死者は3600人です。実際はこれ以上とみられます。

多発国日本も役割果たせ

 さまざまな勢力が争う地域に支援を届けるには国境や支配地域を超えた輸送が不可欠です。国連機関を軸にした支援が重要です。国連の支援物資をトルコからシリア国内にトラックで届ける活動が行われていますが、圧倒的に不足しています。紛争当事者は自制し、人命を最優先にして国連に協力すべきです。

 日本も地震多発国です。これまでも大震災の際に国際的支援を受けました。自らの経験を生かし、トルコとシリアの被災者支援に力を尽くす必要があります。


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