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2023年2月12日(日)

命懸け戦争の本質描く

多喜二没後90年 文学のつどい

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(写真)多喜二没後90年文学のつどいで講演する能島さん=11日、東京・文京区

 日本民主主義文学会と多喜二・百合子研究会は11日、東京都内で「小林多喜二没後90年文学のつどい」を開きました。会場いっぱいの120人と、全国からオンラインで約170人が参加しました。

 作家の能島龍三氏(同文学会会長)が「多喜二は戦争にどう向き合ったか」のテーマで講演。「戦争の加害や被害の事実だけではなく、あの時代にも困難であったけれど抵抗する生き方があったと知ることは重要」と語りました。多喜二が「蟹工船」や「不在地主」で、農民争議やストライキを弾圧する存在として軍隊を描いた実例を紹介。

 さらに「戦争の本質は資本主義にある」として、第2次世界大戦や朝鮮戦争で軍需産業がどれだけの利益を得たかを挙げ、「戦場の最前線の悲惨や、戦争は嫌だ、というだけでは見えてこない戦争の本質を、多喜二は命をかけて作品に結実させようとした。多喜二の描いた貧困・格差・差別・性搾取は過去のものではない」と話し、「戦争の持つ経済的、生命的悲惨、戦りつ、残虐」を描かなければならないとした「多喜二の目」が大切だと述べました。

 俳優の井上百合子さんが「蟹工船」を朗読。「次世代トーク」には秋元いずみ、浅尾大輔、横田昌則の作家3氏が登場しました。西原孝至(映画監督)、山添拓(日本共産党参院議員)、若竹千佐子(作家)の3氏からビデオメッセージが寄せられました。


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