2023年2月9日(木)
大軍拡 社会の体力奪う
参院調査会 岩渕氏に元海自幹部
参院外交・安全保障に関する調査会は8日、「戦争防止のための要件」について参考人質疑を行いました。日本共産党の岩渕友議員は、空前の大軍拡のための43兆円もの軍事費への受け止めや日本が今後果たすべき外交努力について質問しました。
香田洋二元海上自衛隊自衛艦隊司令官は、問題の軍事費は「経済力、技術力、それから高齢化社会を迎える日本の社会構造を考えると、ちょっと度を超えている」と批判。「社会の体力を逆に奪ってしまうのではないか」と指摘しました。
香田氏はまた、立憲民主党の三上えり議員の質問に対し、軍事費に対する政府の説明は不十分だと強調。“こう決めたからこれをやります”という今の政府のやり方は、情報を封鎖し、“いうことを聞け”というロシア・中国とどこが違うのかと厳しく批判しました。
岩渕氏は、対話・交渉など戦争に至らないようにする外交努力の重要性を指摘した上で、日本の果たすべき役割を質問。植田隆子香川大法学部客員教授はロシアのウクライナ侵略にふれ、「『ルールに基づく国際秩序』が破壊される瀬戸際になっている」と指摘。国際秩序をいかに維持していくかが日本が直面する切迫した課題だと強調しました。