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2023年2月7日(火)

「軍事費増のため祝日廃止するな」

デンマーク5万人抗議

賃金と自由奪ってはならない

 軍事費の大幅増をねらうデンマーク政府に抗議する大規模集会が5日、首都コペンハーゲンで行われました。同国政府は昨年末、軍事費増額を目指して税収を増やそうと、国民の祝日を廃止し労働時間を延ばす方針を発表しました。集会には5万人が集結し、過去10年で最大規模の行動となりました。(吉本博美)


 集会を呼びかけたのは、130万人が加盟する同国最大の「デンマーク労働組合連合」(FH、官民65労組加盟)。軍事費増額と祝日廃止を問う国民投票を実施するよう提起しており、1月から署名活動も展開しています。

 FHのリスゴール書記長は「政府が国民から賃金と自由を奪うことがあってはならない」と批判。政府方針は労使間交渉で築かれてきた労働者の賃金、労働条件への「著しい介入だ」と即時撤回を求めています。

 集会に参加した配管工のブランクさん(63)はロイター通信に「政府に私たちの声を聴いてほしくて抗議している」と述べ、軍事費の増額、祝日廃止は国民的議論が必要だと訴えました。

 国会では1日から軍事費増額と祝日廃止に向けた審議を開始。同国が加盟している北大西洋条約機構(NATO)の方針、国内総生産(GDP)比2%の軍事費を2030年に達成するためには約6億5400万ドル(約862億円)の増額が必要で、政府与党の社会民主党、自由党、穏健党は強行採決も辞さない構えです。

 政府が廃止をねらうのはキリスト教の祭日「祈祷(きとう)日」。17世紀から始まり、現在も10代の通過儀礼日としても広く浸透しています。

 直近の世論調査では「祈祷日」の廃止に国民の7割超が反対。祝日の廃止で税収増は見込めないと疑問視する声も多く上がっています。


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