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2023年2月5日(日)

全国都道府県委員長会議

いま“平和の大攻勢”を――「日本を救う党」を強く大きく

志位委員長の発言

 日本共産党の志位和夫委員長が3日の全国都道府県委員長会議の討論で行った発言は次のとおりです。


写真

(写真)発言する志位和夫委員長=3日、党本部

 おつかれさまです。たいへんに積極的な討論が続いていると思います。とくに、7中総の「手紙」が大きな力を発揮しつつあるということが全国から語られ、2月、3月と、大きな力を全党が発揮する土台が築かれつつあるなというふうに心強く思って聞いております。ぜひ午後の討論でも深めていただきたいと思います。

 私の方から、いまの情勢と日本共産党の存在意義ということについて一言述べたいと思います。

「日本の政治を救っている」という評価が

 小池晃書記局長の報告でも紹介されましたが、自民党の重鎮の方が、日本共産党がいま大軍拡を許さないという点で果たしている役割について、「日本の政治を救っている」というふうに評価してくださった。

 この言葉というものはたいへんに重いものがあると思うんです。つまり、「日本共産党はなかなか立派だ」というだけでなくて、日本の政治全体を救う役割をいま果たしているのが日本共産党だという評価であります。

 たいへんにうれしい評価なんですが、私は決して大げさなものではないと、文字通り「そうだ」と言っていいのではないかと実感しております。

背筋が凍るような恐るべき実態

 いま、岸田政権がやろうとしている敵基地攻撃能力保有と5年間で43兆円という空前の大軍拡、これは本当に「専守防衛」というこの国のあり方を根底から覆してしまう、日本の戦後政治の中でも歴史的な暴挙が進行しつつあります。

 (衆院)予算委員会でも取り上げましたけれども、その中身に立ち入ってみますと、背筋が凍るような恐ろしい実態が明るみに出つつあると思います。

 たとえば、「反撃能力」=敵基地攻撃能力と言われているものの実態は何か。マッハ5を超え、射程が2000キロ~3000キロと言われる「極超音速兵器」(「極超音速誘導弾」「極超音速滑空弾」)、これが「主役」であるわけです。そしてそれを搭載する戦闘機や護衛艦などを大増強する。これがどうして「専守防衛」か。

 それから日米(米軍と自衛隊)の関係も、米軍の文書を見ますと、これまでのような「サイド・バイ・サイド=隣に並んでの統合」ではなく、「シームレス=切れ目のない融合」が必要だと。完全に溶け合うように、合金が溶け合うように一体化してたたかう。先制攻撃の戦争もその(米軍の)オプション(選択肢)に入っている。これがいまやられようとしていることです。私も調べてみて、背筋が凍る思いであります。

大軍拡の危険性を正面から取り上げているのは日本共産党だけ

 ただ、こういう問題を正面からとりあげているのは文字通り日本共産党だけなのです。

 多くのメディアは一番の焦点は報じない。おもにこの問題について報じているのは「防衛増税がいいかどうか」です。もちろん、軍拡増税にわが党は大反対ですけれども、「大軍拡を進めていいのかどうか」という根本問題、そして大軍拡の中身がどんなに危険かということについては多くのメディアは報じません。

 そして国会の状況は、私も予算委員会が始まってだいたい見ていますが、はっきり言いまして、まともな論戦とは言えないような議論を、多くの党がやっている状況であります。

 ですから、まさにいま、7中総では大軍拡の翼賛体制づくりの危険があるということを述べたわけですけれども、そういう危険がいまの日本で起こっている。

 これだけの大問題が、日本の戦後の歴史をひっくり返してしまうような大問題が目の前にあるにもかかわらず、それに対して翼賛体制の危険が生まれている。そういう状況が一方ではあります。

戦前との決定的な違い――日本共産党の存在と活動

 ただ、ここで述べておきたいのは、戦前つくられた翼賛体制とは、大きな違いがあるということです。

 かつて、太平洋戦争に向かう時期に、わが党以外のすべての政党が、自らの党を解散して、大政翼賛会に合流し、侵略戦争をすすめた歴史があるけれども、そのときとは決定的な違いがあります。

 それは日本共産党が草の根の組織をもち、「しんぶん赤旗」をもち、国会でも議席をもち、地方政治でも議席をもち、政治勢力として厳然として存在し、意気軒高に頑張っている。ここに戦前との決定的な違いがあることを強調したい。

 戦前は、私たちの先輩たちは弾圧されて監獄のなかでたたかっていた。いまはそういう状況ではないわけです。これは私たちがたたかいによって勝ちとってきた権利でありますが、日本国憲法のもとで自由な活動ができるわけです。そういう状況のもとで、わが党が意気軒高にたたかっている。これは戦前と今日との決定的な違いであります。

 翼賛政治への危険はあるけれども、けっして“大政翼賛会”はできません。日本共産党が頑張っている限りできない。つくらせない。このことも強調しておきたいことであります。

 まさにいま日本共産党の奮闘は、日本の政治を救うという歴史的意義をもっているのが、いまの局面だと、私は思います。

国民のなかにある平和への思いに語りかけよう

 いま取り組んでいる「130%の党」づくりは、もちろん統一地方選で勝利する、このために絶対に必要です。また、党の未来を展望しても絶対に必要です。同時に、いまのたたかいとの関係で言いますと、「大軍拡を許さない、この党を大きくしてください」という訴えを、現瞬間、みんなで打って出て訴えていくことが大事であります。

 私は、国民の多くの心ある方々は必ずこたえてくれる。受けとめてくれる。日本を救う党を大きくしたいと思っていただけるんじゃないかと確信しております。いま国民のなかに広く打って出て、国民のなかにある平和への思いに語りかければ、それは必ず国民的なうねりになっていくと思います。

 小池書記局長の報告では、保育の現場で頑張っている支部のみなさんからの「返事」が紹介されましたけれど、「私たちは、人とたたかったり命を捨てるために子どもたちを育てているわけではありません。子どもたちがおとなになった時に、自分たちのためにより良い環境を整えたと思ってもらえるよう、いま自分ができる事をしていきたい」という思いがつづられていました。こういう平和への思いは国民のなかに深くあると思うのです。そこにいま、私たちが働きかけて、現瞬間、働きかけて、この2月から「平和の党」としての大攻勢をかけようではありませんか。

 このことを述べ、午後の討議でも、情勢論について、自由に考えていることを述べていただきたいし、そういう変化というものは全国にたくさん、たくさん生まれていると思うので、それも出しあって、小池書記局長の報告を深めていただきたい。一言発言しました。ともに頑張りましょう。


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