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2023年2月3日(金)

英、賃上げスト50万人

教職員や鉄道員 「過去10年で最大」

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(写真)賃上げを求めてストライキを行い、市内をデモ行進する教師ら=1日、ロンドン(桑野白馬撮影)

 【ロンドン=桑野白馬】英国で1日、物価高騰に見合う賃上げを求めて公立学校の教職員や公務員、鉄道の運転士や職員ら約50万人がストライキを実施しました。昨年から最大11%を超える過去40年間で最悪のインフレに見舞われている英国では、生活苦を訴える労働者のストライキが広がっています。この日は、各分野の労組がストを集中させ、「過去10年で最大規模」(BBC)となりました。

 全国教職員組合(NEU)が呼び掛けたストには30万人が参加。保守党政権下の緊縮政策で、教職員の賃金も、学校の教育条件も危機的な状況にあるとして、各地で大規模なデモを行いました。

 ロンドンのデモには4万人が参加。参加者は「教師が守られなければ、生徒は守れない」、「教育への投資は未来への投資」など多彩なプラカードを掲げて行進し、賃上げに背を向ける保守党政権に対し怒りの唱和を響かせました。

 民間企業ではストで大幅な賃上げを勝ち取る例が相次いでいますが、政府は、「インフレを促進する」との口実で、看護師や教職員の賃上げ要求の抑え込みを図っています。NEUは少なくとも10%の賃上げを求めていますが、政府提案は平均5%引き上げにとどまっています。

 数学教師のエマ・バウアンスさん(36)は、「教師は時に、福祉労働者や精神科医のような役割も求められる」と述べ、賃上げや増員による負担軽減が必要だと強調。「仲間たちと声を上げ、ひどい状況を変えたい。諦めた顔で子どもたちと接したくない」と語りました。


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