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2023年2月1日(水)

英 反スト法案に抗議

“労働者の権利守ろう”

 【ロンドン=桑野白馬】英ロンドンの首相官邸前で30日、教師や看護師、鉄道運転士、消防士ら約1000人が集結し、保守党政権が成立強行をねらう反ストライキ法案に抗議しました。労組や市民で作る「もうたくさんだ」が呼び掛けた行動で、参加者は「ストの権利を守ろう」「尊厳ある賃金が必要」と書いたプラカードをかかげ「保守党は退陣を」と唱和しました。


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(写真)反ストライキ法に抗議する人たち=30日、ロンドン(桑野白馬撮影)

 昨年から相次いでいる労働者のストを受け、政府は10日、スト中も最低限の公共サービスを維持するためとして、「ストライキ(最小限のサービス)法案」を議会に提出。法案は下院での可決が迫っています。労組や人権団体などから、労働者の基本的権利であるスト権を一方的に制限するものだとの批判が広がっています。

 法案は、救急、消防、鉄道について、担当大臣がスト中の最低限のサービス水準を決定し、使用者が労働者に勤務を命じることができます。必要な労働力を確保できない場合、ストを実施した労組は損害賠償を請求され、命令を受けてもストに参加した労働者は解雇される可能性があります。

 対象は教育、医療、運輸部門にまで拡大されていく予定。地元メディアによると、影響を受ける労働者は500万人に達します。集会では、「法案は国際法違反」「労組を敵視したナチスの手口を思わせる」との批判が噴出しました。

 英語教師のサラさんは「フードバンクに頼る教師が続出して、どうやって子どもに良い教育を提供できるのか」と声を絞り出し、看護師のアーリアさんは「私たちから奪うのではなく、富裕層への増税で持続可能な社会をつくるべきだ」と訴えました。

 鉄道海運運輸労組(RMT)のジョン・リーチ書記次長は「労組への最大の攻撃の一つだ。前例のない規模で街に繰り出し『私たちは自由になる』と訴えよう」と呼びかけました。

 最大野党・労働党のザラー・スルタナ議員は「変化は議会で起こるのではなく、下から上へ、労働者の動きで起こる」と語り、大規模ストへの支持を表明しました。


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