しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2023年1月31日(火)

元自衛官の五ノ井里奈さん 性暴力加害者・国を提訴

写真

(写真)都内で記者会見し、訴訟への思いを語る元自衛官の五ノ井里奈さん=30日

 陸上自衛隊で受けた性暴力を実名で告発した元自衛官の五ノ井里奈さん(23)は30日、加害者と国を相手取り、横浜地裁に民事訴訟を起こしました。同日、五ノ井さんが都内の日本記者クラブで明らかにしました。

 訴訟は、12月に懲戒免職となった加害者5人に対し、2021年に受けた性的暴行や日常的な性的接触などのセクシュアルハラスメントにより精神的苦痛を受けたとし、550万円を請求。また、性的暴行やセクハラ防止のための十分な手段をとらなかったことに加え、五ノ井さんからの申し出にもかかわらず十分な調査を怠ったとして、国に対し、200万円の損害賠償を求めるものです。

 五ノ井さんによると、昨年11月下旬に始まった示談交渉で、加害者側は加害内容についておおむね認めながら「個人に責任があるかは疑問」と表明。その真意について回答を求めたにもかかわらず、12月上旬から今に至るまで返答はありません。

 五ノ井さんは「本当に反省していないと感じた。このままではハラスメントの根絶は不可能だと思った」と強調しました。

 また、被害申し出時の国の不誠実な対応を批判し、「ちゃんと調査してくれていれば、自衛官を退職せずにすんだ。調査をおろそかにした責任はある」と強調。主張において加害者側との「食い違い」があると明らかにした上で、「訴訟を通じ真実を明らかにしたい」と訴えました。

 同席した矢田次男弁護士は「今後加害者側との示談がまとまれば、訴訟取り下げもありうる」と述べました。


pageup