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2023年1月31日(火)

インド太平洋を平和に

インドネシア大統領表明

ASEAN議長国就任式

 【ハノイ=面川誠】インドネシアのジョコ大統領は29日、ジャカルタで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)議長国就任式典で演説し、「ASEANはインド太平洋地域の平和と安定に貢献し続け、経済成長の中心であり続ける」と表明しました。同国大統領府が発表しました。


 ジョコ氏は「ASEANは依然として人々、地域、そして世界にとって重要だと信じている」と強調。「世界は経済危機、エネルギー危機、食料危機から進行中の戦争まで、さまざまな危機に直面している」と指摘し、今年のASEAN議長国としてインドネシアは、昨年の20カ国・地域(G20)議長国の経験を生かして世界に貢献すると意欲を示しました。

 同氏はASEANが「インド太平洋地域の緊張が高まる中で平和を維持し、東南アジアの経済成長の『震源地』として確立することに焦点を当てる」として、「それによってASEANは重要かつ意味あるものとして維持される」と述べました。

 ルトノ外相は今年の議長国の任務は二つあると指摘。第一にASEAN域内だけでなく域外の人々にとってもASEANを重要なものにしていくこと、第二に平和で安定したインド太平洋地域を維持する原動力となることだと説明しました。

 ミャンマー情勢についてジョコ大統領は、暴力の停止と全当事者間の対話を明記した首脳合意「5項目コンセンサス」の履行による正常化への支援が、ASEANの一貫した目標だと語りました。

 ルトノ外相は5項目コンセンサスの履行がミャンマーを支援するASEANの「唯一のアプローチ」だと強調。「ミャンマーの問題がASEANを『人質に取る』ことを望んでいない」と述べ、ミャンマー正常化の遅れがASEANの活動にとって障害になることを懸念しました。

 同氏は「5項目コンセンサスの履行がASEANによる貢献の主要なメカニズムだ」とする一方、「繰り返して言うが、ミャンマーを救えるのはミャンマー国民自身だ。ASEANは支援したいと思っている。ミャンマーは主権国家だ」と述べました。

 5項目コンセンサス 2021年4月、ミャンマー軍政トップのミンアウンフライン国軍司令官も参加したASEAN首脳会議で合意したミャンマー正常化方策。(1)暴力の即時停止(2)平和的解決のための全当事者間の対話(3)ASEAN特使による対話プロセス仲介(4)人道支援供与(5)ASEAN特使のミャンマー訪問と全当事者との面談―の5項目。


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