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2023年1月31日(火)

きょうの潮流

 妊娠を告げられた母はこういさめます。あんたが思っているほど簡単なことじゃないの。産んで終わりじゃない。子育てしながらだと、いまと同じようには働けなくなる…▼いわれたのは「妊夫」の息子。男性が妊娠、出産する世界を描いたドラマ「ヒヤマケンタロウの妊娠」です。坂井恵理さんの同名マンガが原作。昨年有料動画で配信され、いま地上波で放送されています▼女性にかかる負担を男性が身をもって知ることで偏見や差別に気づいていきます。坂井さんは「少子化と騒ぎ立てながら、責任のほとんどを女性におしつけ、妊婦や母親に冷たい日本の社会を、マジョリティー(多数者)である男性に疑似体験させてみたかった」▼現実世界では産休・育休中の人たちのリスキリング(学び直し)を「後押しする」と答弁した岸田首相への批判が広がっています。子育ての大変さをまったくわかっていない、この人にこそ学び直してほしいと▼食事も睡眠もままならないのに勉強する暇があると思っているのか。産休や育休は「休み」ではなく、働くための準備期間でもない。相次ぐ怒りの声は口では異次元の少子化対策をいいながら、実情と次元が違う考え方をしている政権に向けられています▼出産や育児への無理解。そこには自民党の中に横たわる男尊女卑や性差別があります。日本の男性の政治家には、子どもを育てる親の目線をあまり必要とされていないようにみえると坂井さん。首相をはじめ、まず妊夫になってみてはどうか。


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