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2023年1月28日(土)

強制入院は人権侵害

精神科医療のあり方問う

日弁連が集会

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(写真)交流する(右から)ダニウス・プラスさん、鷺原由佳さんら=26日、衆院第1議員会館

 強制・長期入院など多くの課題がある精神科医療。どうすれば精神障害のある人が地域で自分らしく暮らすことができるのかを支援者や専門家が話し合う集会が26日、衆院第1議員会館でありました。主催は日本弁護士連合会。

 障害や難病のある人でつくる「DPI日本会議」の鷺原(さぎはら)由佳さんは、自身が精神科病棟に入院した経験を語りました。午前6時に起床し、多くの薬を飲まされ午後9時に就寝する生活について、「管理された生活を強いられた。これが果たして医療なのか癒やしなのか疑問だった」と指摘。「その人に合った生活パターンなどを大事にするケアがあるのでは」と強調しました。

 元国連健康の権利特別報告者でリトアニア出身の精神科医ダニウス・プラスさんは、精神保健の歴史や、これまで訪れたさまざまな地域で目にした医療による「有害な介入」を報告。強制入院について「今すぐ廃絶とは言えない。時間をかけて数を減らしていくしかない」と主張しました。

 司会者から「行政の考えを変えさせるヒントは」と問われると、「民主主義を発揮することと、精神障害のある人への差別や強制入院は人権侵害だと政治家に訴えていくことが必要だ」と話しました。

 精神障害のある人の家族が結成した「全国精神保健福祉会連合会」の事務局長、小幡恭弘さんは「家族は支援者の一端を担わされるのではなく、家族自身の生活を歩めることを望んでいる」として、家族依存のケアのあり方ではなく社会全体が責任を持って支援するよう制度改正を求めました。


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