しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2023年1月28日(土)

主張

代表質問 首相答弁

説明しない暴走政治許されぬ

 岸田文雄首相の施政方針演説に対する各党の代表質問が衆参両院の本会議で行われました。日本共産党は衆院で志位和夫委員長が、参院で小池晃書記局長が首相の姿勢をただしました。

 今国会の最大の焦点は、敵基地攻撃能力の保有と空前の大軍拡の是非です。首相は施政方針演説で安全保障政策の大転換と表明しました。しかし、なぜ転換するのか説明していません。志位氏は問題点を具体的に質問しましたが、首相はことごとく答えませんでした。日本に戦火を招く「戦争国家づくり」を進める岸田政権の暴挙を許してはなりません。

問題点ことごとく答えず

 敵基地攻撃能力の保有と5年間で43兆円にのぼる大軍拡は昨年末、閣議決定された安保3文書に盛り込まれました。志位氏は、昨年の参院選などで内容を国民に一切示さず、米政権に報告し既成事実化して決めるやり方は、民主主義の無視だと厳しく批判しました。

 敵基地攻撃能力保有は、憲法との関係で説明がつきません。政府は、平時から他国を攻撃するような兵器を持つことは「憲法の趣旨とするところではない」と国会で答弁しています。志位氏は矛盾を指摘しましたが、首相は、憲法解釈は変えてないと言い張りました。「専守防衛」との関係はどうか。国内総生産(GDP)比2%以上の軍事費となれば、日本は米国、中国に次ぐ世界第3位の軍事費大国になります。長射程ミサイルなども大量に購入します。なぜこれが「専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国とはならない」(安保3文書)といえるのか―。志位氏の質問に首相は正面から答えず、「専守防衛を堅持する」と繰り返しました。

 「自分の国を自分で守る」という首相の主張も成り立ちません。集団的自衛権の行使が可能になったもとで、日本が武力攻撃を受けていなくても米国が海外で戦争を始めたら、自衛隊は米軍と一体に敵基地攻撃能力を使って相手国の領土に攻撃を加えることになります。その結果、日本は報復攻撃を受けて、国土は焦土化します。

 志位氏は、安保3文書で、敵基地攻撃能力の柱に「統合防空ミサイル防衛」能力の強化をすえた危険性を強調しました。米国が地球的規模で構築しているシステムに自衛隊が参加することになります。米軍は同システムに先制攻撃作戦を含むとしています。首相は「米軍の指揮下で参戦しない」と述べましたが、国連憲章違反の先制攻撃に自衛隊が参戦する危険は払しょくされません。志位氏は軍拡財源を賄うために、大増税・社会保障大削減などにつながることを強く警告しました。

切実な要求に背向けるな

 必要なのは戦争準備でなく平和の準備です。志位氏は東アジアに平和をつくる外交戦略への転換を求めましたが、首相は日米軍事同盟に固執する立場を変えません。

 志位氏はコロナ対策、物価高騰から暮らしを守り経済を立て直す具体策、子育て支援、原発ゼロ・脱炭素への切り替えなど重要課題で対案を示し実現を迫りました。小池書記局長は、酪農危機の打開やジェンダー平等社会づくりが急務だと提起しました。しかし、岸田首相には国民の切実な願いを受け止める姿勢がありません。政治の大本からの転換が必要です。


pageup