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2023年1月27日(金)

細田衆院議長の統一協会癒着

幕引きどころではない

 統一協会(世界平和統一家庭連合)との数々の接点が指摘されている細田博之衆院議長は、24日に非公開の懇談形式で与野党の代表者らとの質疑に応じました。与党側は今回で問題の幕引きを図る狙いですが、細田氏の説明は全容解明には程遠く、終わりにすることはできません。議院運営委員会などの公の場で質疑に応じるべきです。

反省は語られず

 細田氏は、昨年9月に統一協会との接点に関する文書を公表し、10月に再調査の文書を出しました。しかし、その中身は外形的・表面的な接点の報告のみ。その後も公の場での説明を拒否し、「言論の府」の長でありながら「自らの言葉」で語ることを一切してきませんでした。

 統一協会との関係については、関連団体の会合に計8回出席し、祝電を計3回送ったことなどを認めています。24日の会合では、新たな接点は一切ないと報告し、「やましい付き合いはなかった」と癒着を否定。協会ととりわけ関係が深いとされる「清和政策研究会」(現在の安倍派)の派閥の元会長(2014~21年)として、選挙の際に統一協会の票を差配した疑惑についても「思い当たる事実はない」と主張しました。

 深刻なのは、細田氏から一切の反省が語られていないことです。細田氏は、統一協会について「悪いことをしている団体」との認識はなく、安倍氏の事件後に「さまざまな報道があり驚いた」などと述べました。数々の会合に出席し、深い関係を築きながら、その実態は知らないなどと言うのはあまりにも無責任です。統一協会の反社会的活動に「お墨付き」を与え、被害を拡大させた自身の責任を認めるべきです。

議長職を「盾」に

 一方で、安倍晋三元首相と統一協会の関係については、「大昔から関係が深い」「(関係の深さを)長い間に実感していた」などと暴露。19年に、統一協会の韓鶴子総裁が出席した関連団体の会合で、会の内容を安倍氏に「早速報告したい」と発言したことについては、「安倍氏と近い団体と知っていたのでリップサービスで言った。安倍氏には報告していない」と述べました。

 安倍氏に近い有力政治家が、安倍氏と統一協会との深い関係を国会で認めたのは初めてです。しかし、具体的な関係については明かされず、疑惑は一層深まりました。

 細田氏は、公の場で説明を拒否する理由について、「一議員の頃や派閥の一員の頃の話を議長の立場で語るのは適当ではない」などと述べています。議長であることを「盾」に説明責任から逃れようとする暴論であり、その姿勢こそが議会に対する信頼を損ねるものです。

 通常国会では、引き続き統一協会をめぐる問題が焦点となっています。細田氏が何の説明もなく、議長席に座り続ける限り、問題に終止符が打たれることはありません。幕引きどころか、一層厳しい責任が問われます。

 (中野侃)


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