2023年1月25日(水)
校閲の目
ジェンダーガイドライン ポイント(4)
理由もなく、男女で異なった表現はしない
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ジェンダーガイドラインのポイント(4)は「理由もなく、男女で異なった表現はしない」です。
メディアはこれまで男性の視点から女性に限り「ママさん○○」「女医」など性別を示す言葉を頭につけてきました。女性首相が誕生した時とか、女性議員を増やそうという記事の場合は「女性」が必要ですが、理由もなく「女性」とつける必要があるのでしょうか。男性の場合には「首相」「議員」と書かれ「男性」はつきません。
俳優も女性の場合は「女優」と書かれてきました。「女優賞」などは別ですが、通常の記事では「俳優」とします。
夫婦が取材対象の場合、夫はフルネームなのに妻は名前のみでした。夫婦別姓になれば、両人ともフルネームで書かれます。同姓を選択した人も人格の表現としてフルネームを基本とします。
敬称も男性は「氏」、女性は「さん」でした。「しんぶん赤旗」は1990年代中ごろから、訃報で男女とも敬称を「さん」に統一。訃報以外の記事でも「男性は氏、女性はさん」という固定的な書き方はせず、内容に沿った表現にします。
これらは新聞の歴史の中で作られてきた記事のスタイルです。私たちも頭にしみついていますが、ジェンダー平等の視点で一つ一つ吟味していきたいと思います。(河邑哲也)
(毎週水曜日付に掲載予定です)