2023年1月25日(水)
核兵器は人類に必要か
作家・平野啓一郎氏が講演
長崎
 （写真）核兵器廃絶を訴える作家の平野啓一郎氏＝21日、長崎市 |
「核なき世界の想像／創造」と題して作家の平野啓一郎氏を講師に迎え、核兵器廃絶について考える講演会が２１日、長崎市内で開かれ、オンラインで配信されました。核兵器廃絶長崎連絡協議会（ＰＣＵ―ＮＣ）と長崎大学核兵器廃絶研究センター（ＲＥＣＮＡ）の創立１０周年を記念して開かれたものです。
平野氏は「被爆地を歩いて被害を想像すると大変恐ろしいが、世界地図で見ると針でつつくような点でしかない。シリアやウクライナでは街が丸ごと破壊されたが、為政者からは地図上の非常に小さな点に見えて、あくまで局所的な使用だという形で核兵器が使用されてしまう危機にある」とのべました。
東アジアの国々との外交の重要性を強調し、日本政府が軍事力一本で安全保障を維持しようとしているのは「非常に単純な発想で、空想的な政策だ」と批判。「軍備増強の果てには戦争しかない。究極的には戦争すべきではないと、そのためにどのように武器を減らすのかという方向に進むべきであり、そもそも核兵器が人類に必要なのかという根本的な問いから、私たちの社会のあるべき姿を構想するべきではないか」と語りました。
