しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2023年1月21日(土)

仏全土 年金改悪に抗議

112万人 ストや街頭行動

 【ベルリン=桑野白馬】フランスで19日、政府の年金受給開始年齢の引き上げ案に抗議する大規模なストや抗議行動が行われ、国内最大の労組「労働総同盟(CGT)」はパリだけで40万人が街頭に繰り出したと発表しました。内務省によると全土で約112万人が参加しました。

 ストはCGTを含む国内の主要8労組が呼びかけました。南部マルセイユ、トゥールーズ、ニースなどでは、交通機関が停止し学校は閉鎖されました。野党の左派政党「服従しないフランス」やフランス共産党の議員、党員らも行動しました。

 参加者は「定年ではなく給与や年金を引き上げろ」「マクロン(大統領)は退陣を」と書いたプラカードを持ち、楽器を鳴らしたり踊ったりしながら行進しました。

 欧州各メディアには「つらい仕事なのに、さらに長く働くなんて無理」(看護師)、「歩行器を使って仕事に行けと言うのか」(社会福祉士)との切実な発言が寄せられました。

 10日にボルヌ首相が発表した案では、実質的な定年退職年齢にあたる年金受給開始年齢を2030年までに、現行の62歳から64歳に引き上げます。政府は、高齢化社会で年金制度を維持するには改革が不可欠だと主張しています。

 これに対し労組側は、超富裕層への課税強化で財源を賄えるとして政府案を批判。CGTは18日付の声明で「富の分配との関係を無視して年金制度を考えることはできない」と指摘し廃案を要求しました。世論調査では国民の7割近くが案に反対しています。

 一方、マクロン大統領は19日、記者団に対し「決意をもって改革を実施する」と表明しました。


pageup