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2023年1月21日(土)

きょうの潮流

 「あなたは、いじめられてはいけない人です。あなたは、大切な人だから」。愛知県で子どもたちの幸せを願って研究活動をしている「あいち県民教育研究所」(あいち民研)が昨年12月に出した「いま、いじめで苦しんでいるあなたへ」と題するメッセージの一節です▼同県では、1994年に男子中学生が凄惨(せいさん)ないじめを受けて自ら命を絶つという事件があり、県民に大きな衝撃を与えました。その後もいじめ事件が繰り返し起きています▼あいち民研のメッセージには、何としても子どもたちを救いたいという思いが込められています。今年は「いじめ防止対策推進法」ができてから10年。いじめをめぐる事件は、いまも各地で相次いでいます▼文部科学省の調査によると、2021年度に小中高校・特別支援学校が認知した「いじめ」の件数は約61万5千件にも上ります。学校側が気づいていないいじめは、もっとあるはずです▼いじめに苦しむ子どもやその親から、学校に訴えてもきちんと対処されないという声が出ることが少なくありません。子どもの安全と命を守ることを何より優先した対応が求められます。しかし教師の多忙化がそれを妨げている現状もあります▼あいち民研は、いじめ自死を起こさないための提言も発表しました。教育条件の整備や社会全体での取り組みを呼びかけ、子どもが大切にされる社会の実現を訴えています。いじめ問題の解決のためにも、目指すべきはすべての人間の尊厳が大切にされる世の中です。


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