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2023年1月19日(木)

きょうの潮流

 「ホタルは、きれいな細流(せせらぎ)でみかけるが昔は田んぼのあぜで見かけた。農薬、化学肥料のせいで田畑の生態系が破壊されたから」▼農民運動全国連合会(農民連)の長谷川敏郎会長が、学習会でアグロエコロジー(生態系を生かした持続可能な農業)を説明する際のまくら話です。今年の大会で“農民連のアグロエコロジー宣言案”を採択しました。「未来世代のために工業的農業で失ったものや、破壊されたものを再生して、日本農業のあり方を見直す道標(みちしるべ)」です▼温暖化・気候変動と、新自由主義政策によって生物多様性が破壊されるもと世界は、戦後最悪の食料危機に。丸1日以上食事がとれない飢餓人口は3億2300万人。食を輸入で外国に依存する日本。お金を出せば何でもいくらでも買える時代は終わりを告げています▼38%の食料自給率さえ「砂上の楼閣」だと長谷川会長。食料だけでなく種子・肥料・農薬・燃油のほとんどを輸入に頼り、価格高騰だけでなく、入手自体が困難になっています。「農業生産に必要なものが調達できなければ作物はつくれず、農業危機は食料危機と同居している」と警鐘を鳴らします▼アグロエコロジーは、慣行農業の否定でなく、豊かな生態系を残していける農業を仲間と探求する社会運動だと。カギとなるのは、新日本婦人の会との産直をはじめ消費者と手を結んだ食と農の再生、疲弊する地域を守る運動です▼国民の食料を外国に依存し続ける農政を大もとから変える国民的な大運動を、各地で。


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