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2023年1月18日(水)

主張

「政治とカネ」疑惑

岸田首相は解明に背向けるな

 岸田文雄政権では昨年、統一協会との癒着や「政治とカネ」問題などで閣僚辞任が相次ぎました。今年に入り、高市早苗経済安全保障担当相の政治資金パーティーをめぐる新疑惑も浮上しました。後を絶たない「政治とカネ」疑惑の解明は、23日に始まる通常国会の重要課題の一つです。辞任した閣僚も自らの疑惑について国民に説明をしておらず、任命責任が問われている岸田首相にも反省がありません。自浄能力のない政権を終わらせるたたかいが重要です。

高市氏に新疑惑が浮上

 高市氏の疑惑は本紙日曜版15日号が報じました。政治資金パーティーで、政治資金収支報告書に記載しなければならない収入が不記載だった上、その違法性を隠すために領収書を再発行して、古い領収書と差し替えていた疑いです。

 高市氏が代表の自民党奈良県第2選挙区支部は2021年に政治資金パーティーを開きました。奈良県の自民党山添村支部の政治資金収支報告書には、パーティーのチケット購入費として22万円を第2選挙区支部に支払ったと記されていました。一方、第2選挙区支部の収支報告書には山添村支部の名はありません。

 政治資金規正法は、1回のパーティーで同じ政治団体などから20万1円以上の収入があれば購入者名などの記載を義務付けています。違反すれば5年以下の禁錮または100万円以下の罰金になります。

 昨年、政治資金に詳しい神戸学院大学の上脇博之教授は高市氏らを検察に告発しました。告発後、山添村支部は21年分の報告書のチケット購入費を12万円に訂正し、領収書も高市氏側が再発行した12万円のものに差し替えました。

 高市氏は、山添村支部が誤って報告していたと釈明しますが、山添村支部の会計責任者は報告書の訂正をする前の日曜版の取材に対し、22万円分の購入を明言しています。疑念はふくらみます。高市氏はかつて政治資金を所管する総務相を務めていました。国会で経過を明らかにすべきです。

 岸田政権では昨年10月末から2カ月で4閣僚が辞任しました。統一協会と密接な関係が問題になった山際大志郎経済再生担当相、死刑をめぐる発言が批判を浴びた葉梨康弘法相、政治資金疑惑が追及された寺田稔総務相、統一協会と政治資金疑惑の両方が問われた秋葉賢也復興相です。LGBTQなど性的少数者を差別する言動に根本的な反省を示さない杉田水脈総務政務官も更迭されました。

 しかし、統一協会や「政治とカネ」で疑惑を持たれ辞めた閣僚は真相を語っていません。政治の基本姿勢に関わる問題であり、閣僚辞任で幕引きはできません。政治資金規正法違反が判明して衆院議員を辞職した薗浦健太郎氏の問題も曖昧にできません。

かばい続けた責任免れぬ

 問題が発覚した閣僚をかばい続けた岸田首相の責任も厳しく問われます。辞任した閣僚以外にも松本剛明総務相の政治資金パーティー疑惑や岡田直樹地方創生相の公職選挙法違反疑惑も指摘されています。細田博之衆院議長と統一協会との関係解明もこれからです。

 疑惑まみれの政権が「戦争国家づくり」を進めることは到底許されません。岸田内閣を総辞職に追い込むことが必要です。


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