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2023年1月17日(火)

公共医療守れ 3万人デモ

参加者「削減は犯罪だ」

スペイン マドリード自治州 右派政権に抗議

 【ユトレヒト(オランダ中部)=桑野白馬】スペインの首都マドリードで15日、労組や医療団体が医療の民営化に抗議するデモ行進を行い、約3万人が医療従事者の賃上げや人員増強を求めました。

 参加者は白衣を着てドラムをたたき、「公共医療削減は犯罪だ」と唱和。「医療は売りものじゃない」と書いたプラカードを掲げて行進しました。国内各地で昨年から断続的に行われている医療従事者のストへの連帯を示しました。

 マドリード自治州は同州の右派・国民党政権のもとで、全国で最も医療への支出が少ない地域の一つとなっています。「1人の医師当たり1日に40~50人の患者を診察しなければならず、1人の患者に6分しか時間を割けない」(ロイター通信)状況で、患者に適切な診療ができないことが問題となっています。新型コロナ禍では医療を受けられず亡くなる高齢者が相次ぎました。

 アジュソ自治州首相は、医療従事者側との交渉を拒否しています。資源確保や医師の増員をしないまま救急外来の増設に着手したり、オンライン診療の拡大で民間企業の参入を促したりしていることから、批判が高まっています。

 医師や看護師が公共医療を守るため結成した団体「マレア・ブランカ(白い大波)」のカルメン・エスブリ広報は、医師不足で「20万人の市民が、かかりつけ医で診察してもらえない」と指摘。「医療民営化がもたらす悪影響が拡大し続けている。公的医療を守るたたかいは終わらない」と強調しました。


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