2023年1月16日(月)
統一地方選 共産党議席の値打ち
佐賀 2議席は「県民の命綱」
オスプレイ配備反対 県民とともに
佐賀県議選(3月31日告示、4月9日投票)で、日本共産党は佐賀市区(定数11)の、むとう明美予定候補(75)=現=、唐津市・玄海町区(定数6)の井上ゆうすけ予定候補(37)=現=の現有2議席をなんとしても守り抜こうと奮闘しています。(佐賀県・古賀誠)
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“共産シフト”下 大激戦
「ウソをつくな!」の激しい怒声が飛び交い、質問をしようと次々と参加者の手があがります。昨年12月25日、佐賀空港(佐賀市)への陸上自衛隊の輸送機オスプレイの配備に向け、佐賀県と九州防衛局が開いた県民説明会での光景です。
計画は県営の佐賀空港へのオスプレイ17機の配備をはじめ、対戦車ヘリ50機を移駐、空港西側の33ヘクタールを取得して弾薬庫や燃料タンクを整備するなど一大出撃拠点にしようというものです。
山口祥義知事は国いいなりにオスプレイ配備を容認。昨年は県有明海漁協に対し、佐賀空港の自衛隊との共用を否定する公害防止協定の見直しを迫りました。「嫌がっていたら国防はなりたたない」などと述べる知事に県民の怒りが広がっています。
自民党県議団もオスプレイ配備推進決議を県議会に提出、公明党も賛成し、可決(2017年)するなど空港軍事化の先頭に立ってきました。
こうした中、日本共産党は市民と一緒に計画中止を求めたたかってきました。県議会で、むとう氏はオスプレイの危険性を繰り返し指摘。空港西側の33ヘクタールだけでなくさらに土地を取得しようとしていると暴露、米軍使用の可能性についてただし、「平和な佐賀の空を」と求めました。昨年末の県民説明会を受け、党県議団・県委員会はただちに知事に「説明会で反対の意見が相次いで行われたことから計画を撤回すること」などを要請しました。
国が取得を狙う土地の地権者で、「オスプレイ反対住民の会」の古賀初次会長は「自身の土地を売る気はない。配備が決まったわけではありません。子や孫のためにも有明海を守っていく」と述べ、「日本共産党も配備撤回に向け頑張ってくれている。これからも私たちの声を県に届けてほしい」と期待を寄せます。
再エネ転換を
佐賀空港の軍事基地化だけでなく佐賀県では、九州電力玄海原発(玄海町)や諫早(いさはや)湾干拓事業など国の悪政が集中しています。
玄海原発は、知事が再稼働容認。稼働で増え続ける使用済み核燃料に対応するため、特殊な容器で貯蔵する乾式貯蔵施設を敷地内に設置しようとしています。青森県六ケ所村再処理工場も稼働しない中佐賀県が「核のゴミ置き場」になってしまいます。
井上氏は「危険な原発から再生可能エネルギーに転換し、安心して暮らせるふるさとを」と訴えます。玄海原発の10キロ圏内で育ってきた井上氏は、県議会で繰り返し原発問題を取り上げ、質疑と討論は38回(1月時点)にのぼります。原発事故の汚染を過小に記述した九電のパンフレットは問題だと迫り、九電はこのパンフレットを差し替えました。
むとう氏も九電社員が市民を装い再稼働支持の誘導をした「やらせメール」などを告発。両氏の奮闘が玄海原発1・2号機を廃炉に追い込みました。「原発なくそう! 九州玄海訴訟」の原告も1万人を超え、太陽光など九州の豊富な再生可能エネルギーを活用しようとの運動が力強く広がっています。
諫早湾干拓事業でも両氏の奮闘の中、県議会として「互いに歩み寄り、問題解決に向け進むよう努力されることを要望する」意見書を全会一致で可決(21年)させました。
さらに両氏は統一協会と自民党議員・県政との癒着の徹底解明に奮闘しています。統一協会の開祖・文鮮明が提唱した「日韓トンネル」の入り口がある唐津市で行われた推進イベントで古川康前知事・衆院議員が「日韓トンネルに期待する」と講演。推進団体には多くの自民党議員が名を連ねています。井上氏の追及で「日韓トンネル研究会」に佐賀県職員が参加していたことも明らかになりました。
子育てを応援
自民・公明党が約8割を占める県議会の中で日本共産党の2議席は「県民の命綱」となっています。
むとう氏が佐賀市議時代から取り組んできたのが、子ども医療費助成制度です。いまでは県内で中学校卒業までの子どもの医療費助成は当たり前に。しかし県の補助は小学校入学前まで。県議会で唯一、日本共産党の議員だけが小学生以上への補助金創設を求めています。
井上氏も子育て世代の声を議会に届けてきました。県外の病院で受診している子どもへの医療費現物給付を求め、九州大学病院(福岡県)が新たな対象に。片耳難聴の子をもつ母親から相談を受け、議会で取り上げ、補聴器助成制度が拡充されました。
また2人の議員団は県立学校や県公共施設のトイレの生理用品配備を実らせました。少人数学級も実現、県立学校普通教室にエアコンを設置させ、特別教室への設置も求めています。
長びくコロナ禍から県民の命とくらしを守ろうと、両氏は県や市にコロナ対策を10回以上申し入れ。医療介護施設への抗原検査キットの配布やエッセンシャルワーカーへの1人6万円の慰労金などが実現しました。
今回の選挙で、唐津市・玄海町区では定数6に自民が候補5人をたて、公明候補1人とあわせ政権与党で全議席を占有しようという構えです。佐賀市区でも「むとうさんは大丈夫」と票の切り崩しが行われています。「『なによりいのち』この思いを貫いて28年間県議として住民の声を届けてきました。なんとしても現有議席を確保します」(むとう氏)、「原発ゼロが私の原点。原発立地自治体の選挙区で唯一『原発反対』を訴える現職として、負けるわけにはいきません」(井上氏)と決意を固めています。
![]() (写真)オスプレイ配備の説明会を受け、県に要請する(左端から)むとう県議、今田真人党県委員長、井上県議=2022年12月27日、佐賀県庁 |