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2023年1月16日(月)

高市経済安保相 領収書差し替え疑惑

パーティー券購入者不記載

刑事告発後に不可解な説明

 20万円超の政治資金パーティー券購入者を政治資金収支報告書に記載しなかった―。政治資金規正法違反(不記載)の疑いで昨年11、12月、高市早苗経済安全保障担当相らが奈良地検に刑事告発されました。その告発後、違法の“証拠”となる領収書を、高市氏側が違法に問われない領収書に差し替えた疑いが「赤旗」日曜版編集部の取材で浮上しました。(「日曜版」1月15日号で詳報)


写真

(上)高市氏が代表の「自民党奈良県第2選挙区支部」が2021年7月16日付で「自民党山添村支部」に発行した領収書。金額の欄には22万円と記載されています
(下)編集部の取材後に、高市氏が代表の「自民党奈良県第2選挙区支部」が再発行した領収書。金額の欄が12万円に変更されています(画像は一部加工)

 告発状によれば、高市氏が代表の「自民党奈良県第2選挙区支部」は2019、21年に政治資金パーティーを開催。奈良県の「自民党山添村支部」は「パーティーチケット購入」費として各22万円を第2選挙区支部に支払ったと収支報告書に記載しています。しかし、第2選挙区支部の収支報告書の購入者欄には山添村支部の名前はありません。

 政治資金規正法(第12条第1項)は、1回のパーティーで同一の者から20万1円以上収入があれば、購入者名などを収支報告書に記載するよう義務づけています。不記載には5年以下の禁錮又は100万円以下の罰金という罰則があります。

12万円に変更

 昨年12月16日、山添村支部の会計責任者は日曜版編集部の取材に「支部では(パーティー券を)11枚購入し、11人が参加した」と説明しました。

 同日、高市事務所に文書で質問すると、第2選挙区支部の会計責任者が電話で回答しました。

 「(21年は)山添村支部には6枚、12万円分しか買ってもらっていない。残りの5枚分は、支部以外で買った個人が山添村から一緒に来たのかなという想像はつく。山添村支部側が間違っているので訂正すると言っている」

 当初このように両者の説明は食い違っていました。ところが―。

 取材の3日後の昨年12月19日付で山添村支部は突然、高市氏側の説明通りに21年分の収支報告書を訂正。「チケット購入」費を22万円から12万円に変更し、差額10万円は「その他の支出」に計上しました。さらに同支部は、違法の疑いの“証拠”である22万円の領収書を、第2選挙区支部が再発行した12万円の領収書に差し替えたのです。

報道受け突如

 13日の閣議後記者会見で高市氏は、日曜版報道について「領収書を差し替えたということに強く抗議したい」と発言。12万円の領収書の再発行は告発後ではなく21年7月当時のことで、山添村支部側が誤って古い22万円の領収書の方を報告した―と突然言いだしました。日曜版編集部はこれまでも高市事務所や山添村支部の担当者に再三質問していますが、一度もこのような説明はしませんでした。日曜版報道を受け突如持ち出してきたのです。


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