2023年1月15日(日)
きょうの潮流
あの再現映像を見るたびに血湧き肉躍るファンは多い。いまや伝説となったバース、掛布、岡田のバックスクリーン3連発。時は1985年4月、場所はホームの甲子園球場、相手はライバル巨人でした▼勢いそのまま、阪神タイガースは21年ぶりのリーグ優勝、初の日本一を成し遂げました。そのとき、猛虎打線の中心となったのがランディ・バースさんでした。この年から2年連続で三冠王、86年の打率3割8分9厘はイチローも破れなかったプロ野球記録として今も輝いています▼日本球界を去ってから35年たった今年、ようやく殿堂入りを果たしました。とても名誉で、阪神でプレーできたことはすばらしい経験だったと喜びます▼もう1人殿堂入りしたのが、外国人選手として初めて通算2000安打を達成したアレックス・ラミレスさんです。ヤクルトや巨人、DeNAで計13年間プレー。明るい性格で親しまれ、監督も務めました▼まじめに野球にとりくむ日本選手の姿勢が好きで「ほんとうに学ばされた」。本紙のインタビューにそう答えていました。ふたりに共通するのは日本の野球や選手へのリスペクト。「助っ人」と呼ばれることを嫌い、チームに溶け込もうと努めました▼米大リーグから移り、日本で活躍した選手の殿堂入りは両者が初めて。そこには偏見や差別の壁も見え隠れします。プロ野球に欠かせない外国人選手たち。互いに敬意をもち多様性を認めあう球界へ。今回の殿堂入りが、その一歩となることを望みたい。








