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2023年1月14日(土)

きょうの潮流

 だんだん隣りで友だちが亡くなっても、何とも思わなくなったと話す少年少女。母が死んだとき明日からご飯をどうすればいいかと、悲しみより空腹のことを考えていたという12歳▼78年前、人間が人間でなくなる戦場を味わってきた子どもたち。学徒隊や少年兵として鉄の暴風に放り込まれ、「お国のために」たくさんの若い命が犠牲になりました。その実態や孤児となった苦難の歩みは、いまだ不明とされています(『沖縄戦の子どもたち』)▼戦前の沖縄にあった21の旧制師範学校、中等学校すべてから生徒が戦争に駆り出されました。その元学徒らが5年前に結成した「元全学徒の会」がたまらずに訴えています。「再び戦争が迫りくる恐怖と強い危機感を覚え、むごい沖縄戦を思い出す」▼中国の脅威を盾にした南西諸島のミサイル配備や自衛隊の増強、沖縄をさらに軍事要塞(ようさい)化する動きに、みずから戦争を引き起こそうとしている状況が戦前と重なると断固反対の声明を▼二度と戦場にさせない、何よりも命を大切にする、それが沖縄のこころだとデニー県知事も改めて。日米がそろって突き進む敵基地攻撃についても、これ以上の基地負担が生じることはあってはならないと批判しました▼実際の戦争の悲惨、残虐さを体験してきた人たちの満身のさけびを沖縄の地元紙が伝えています。「美しい大義名分を掲げても、戦争には悪しかない。戦争は始まってしまったら手がつけられず、人の命が奪われる」。戦争はしてはならない、と。


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