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2023年1月13日(金)

戦争の準備でなく、平和の準備をする年に

全労連・春闘共闘合同新春旗びらき 志位委員長のあいさつ

 11日夜に東京都内で行われた全労連と国民春闘共闘委員会の合同新春旗びらきでの日本共産党の志位和夫委員長の来賓あいさつは次の通りです。


写真

(写真)あいさつする志位和夫委員長=11日、東京都文京区

 みなさん、あけましておめでとうございます。連帯のごあいさつを申し上げます。

“潮の流れの変化”が起こりつつある

 私は、新年に、BSフジの番組(1月5日)に出演する機会があり、「今年の抱負」を一筆書いてほしいと言われまして、「“新しい戦前”にさせない」と掲げて頑張りたいということを申しました。

 今年最大のテーマが「『戦争国家』づくりを許さない」ということにあることは、これは繰り返すまでもないと思うんですが、年末から年明けにかけて“潮の流れの変化”が起こってきていると感じております。

 この「新しい戦前」という警告を発したのはタモリさんです。黒柳徹子さんとの対談番組(昨年12月28日放送)でおっしゃった。卓見だと思うんですね。

 1月1日付の東京新聞のインタビューでは、吉永小百合さんが、「怖いのは、昨年末、サッカーのワールドカップ(W杯)で日本中が沸き返っていた時期に、敵基地攻撃能力や防衛費増額という大変な問題を、みんなで考えるんじゃなく、どんどん決めていこうとした動きです」ということをズバリおっしゃった。

 そして、先日、TBSの報道特集(1月7日放送)では、河野洋平元衆院議長が、敵基地攻撃能力保有、大軍拡に対して、「この政策転換というのはあり得ない」という言い方で、怒りを込めて政府の「安保3文書」を厳しく批判をされておりました。

 “この道は危ないぞ”ということが、立場の違いを超えて、いま広がりつつあるということを感じます。

 新年に入ってからのJNNの世論調査でも、「防衛増税」に7割以上が反対という数字が出ました。注目すべきは、軍事費拡大そのものに4割以上が反対し、賛成が3割台と逆転し始めている。世論の変化がずっと起こっています。

 さきほどのBSフジの番組では、視聴者から「もしミサイルが撃ち込まれたらどうしますか」という質問が寄せられました。私は、「そういう事態を起こさせないことこそ政治の責任だ」とお答えしました。

 私は、加藤周一さん(評論家)がかつて、「戦争の準備をすれば戦争の確率が高まる。平和を望みたかったら平和の準備をすべきだ」とおっしゃっていたことが思い出されます。

 その通りだと思います。今年を戦争の準備ではなくて、平和の準備の年にしたい。そのためにみなさんと力をあわせてがんばりぬく決意を申し上げたいと思います。

「財界まかせ」「中小企業は視野の外」でなく、政治の責任で賃上げを

 さて賃上げの問題です。年頭の岸田首相の記者会見を聞いておりますと、「賃金が毎年伸びていく構造をつくる」とおっしゃった。ところがその方法はどうかということになりますと、「財界にお願いする」というわけですね。財界まかせで賃金が上がるか、賃上げのために政治がいかに責任を果たすかが肝心だということを言わなければなりません。

 もう一つ、首相の発言には大きな問題があります。この発言は中小企業がまったく視野の外に置かれているわけです。働く人の7割が中小企業で働いている。中小企業の賃上げをどうするのか。これに対する答えは何もないわけであります。

 「財界まかせ」「中小企業が視野の外」――これが今の政権の姿勢の問題点だと思います。

 いかに政治の責任で賃金を上げていくか。中小企業で働く方々も含めてすべての労働者の賃金を上げていくか。これが政治に問われていると思います。

 私たちは、大企業の内部留保の増加分に時限的な課税をやって、その税収を使って賃上げを促進する。最低賃金を1500円に引き上げるための中小企業支援にあてるという提案をしております。

 それからみなさんも強く要求しているように、国や地方自治体で働いている非正規雇用の方を含めた労働者の最低賃金を1500円に引き上げる。これは政治の決断でできるはずです。

 介護、保育にかかわるケア労働者の賃金が平均に比べて5万円少ないわけです。これも公定価格としてちゃんと責任をもって上げるべきです。

 男女の賃金格差を是正する一歩は進み出したんですけれども、まだ本格的に進めるうえでは、格差を隠してしまう動きもあります。本気で格差是正を推進する必要があります。

 これらは、すべて政治の責任でやるべきことであり、政治の決断でできることです。これらをしっかりやらせていくたたかいを、みなさんと力をあわせて、国会でもがんばってやりぬきたいということをお約束したいと思います。

「専守防衛」を覆す大軍拡をやるなら、解散・総選挙で信を問え

 最後に、岸田政権とどう対峙(たいじ)するか。安倍政権と比べてどうだろうかと考えますと、安倍元首相というのは、悪いものだったけれども彼なりの「信念」をもっていろいろやってきた。しかし、私は、岸田首相には「政治的信念」を感じたことがありません。

 それでは彼の行動原理は何なのかと考えますと、自分の保身と延命、それに役立つことだったら何でもやる(ということです)。アメリカの顔色をうかがって「安保3文書」を決める。財界の顔色をうかがって原発回帰を決める。安倍元首相にこびをうって「国葬」をやる。なんでもこういう調子なんですね。

 ですから、このような政権は、強く退陣を求めていきたい。統一地方選挙で厳しい審判を下していきたい。そして、憲法を無視し、「専守防衛」をかなぐり捨てるような間違った道を進めようというのならば、衆院を解散して信を問え――そのことを求めてたたかい抜きたいという決意を申し上げるものです。

 日本共産党自身の努力方向としては、日本の政治を変えるカナメとなって働けるよう、強く大きな党をつくる年にしていきたいと決意しているところです。

 ともに今年もがんばってまいりましょう。ありがとうございました。(拍手)


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