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2023年1月12日(木)

きょうの潮流

 助ける準備、できていますか? そう呼びかけるポスターが都営地下鉄の駅や車内に掲示されています。14日からの大学共通テストを前に受験生の痴漢被害を防ぐキャンペーンの一環です▼東京都立大の学生たちの意見を取り入れて作成しました。スマホを使った方法や声かけなど、痴漢を目撃したときの対応をイラスト入りで紹介。被害者に自衛を求めるのではなく、防止のために周りの協力を促しています▼対処の仕方を知っておけば、いざというとき勇気を出して被害者を助けることができる。こうした意識を持った人が増えることで、痴漢行為を許さない社会づくりにもつながる。学生たちからはそんな意見が出たといいます▼卑劣な犯罪のうえに、大事な試験を前にした受験生には通報されないだろうと見込んだ、極まる悪質さ。しかもSNSなどではこの時期に痴漢をあおる投稿が増えるというのですから、怒りを通り越して空恐ろしさも▼対策には政治も動いています。共産党都議団は受験シーズンの防止強化と被害者の救済にとりくむことを都や警視庁に申し入れました。全国各地の党議員や市民団体も奔走し、対策を前進させています▼痴漢がなくならない背景には、この犯罪をいまだに軽くみる風潮が社会にあると専門家は指摘します。被害者に落ち度を求める向きさえも。日常の公共交通機関で起きている、深刻な性暴力、重大な人権侵害。私たちの社会がこんな異様にあることを認識し、肝に銘じなければ。絶対に許さない。


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