2023年1月10日(火)
軍需上位企業が自民献金1.6億円 21年
10社で調達額の6割
本紙調べ
敵基地攻撃能力の保有など、岸田自公政権が大軍拡路線を突き進み、2023年度予算案で軍事費が10兆円を超すなか、護衛艦や潜水艦などを防衛省に納入している軍需産業上位の企業が、2021年に自民党の政治資金団体「国民政治協会」に1億6000万円を超す献金をしていたことが本紙の調べで分かりました。
契約金額 (億円) |
献金額 (万円) |
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①三菱重工業 | 4591 | 3300 |
②川崎重工業 | 2071 | 300 |
③三菱電機 | 966 | 2000 |
④日本電気 | 900 | 1500 |
⑤富士通 | 757 | 1500 |
⑦IHI | 575 | 1000 |
⑧SUBARU | 417 | 1700 |
⑨日立製作所 | 342 | 4000 |
⑪小松製作所 | 183 | 800 |
⑫ダイキン工業 | 181 | 520 |
〈注〉防衛装備庁資料、政治資金収支報告書(2021年分)で作成。丸数字は契約実績順位 |
防衛省の外局である防衛装備庁が発表している「中央調達の概況」(令和4年版)で公表している2021年度の「契約高順位(上位20社)」に名前を連ねている企業の献金額を、「政治資金収支報告書」(21年分)で調べたもの。(表参照)
献金額が3300万円の三菱重工業は契約実績がトップ。射程を現在の百数十キロから1000キロ超に伸ばす「12式地対艦誘導弾能力向上型」や、音速を超える速度で地上目標を攻撃する「島嶼(しょ)防衛用高速滑空弾の要素技術」、マッハ5以上で飛行し、軌道を自在に変えられる「極超音速誘導弾要素技術の研究試作」などを納入。憲法違反の「敵基地攻撃」を可能とする兵器も目立ちます。契約高は前年より約1500億円増え、4591億円。同年度の政府調達額1兆8031億円の25・5%を占めています。
献金額が2000万円の三菱電機は、中距離地対空誘導弾(改善型)、ネットワーク電子戦システム、空対空誘導弾などを納入、同5・4%。サイバー防護分析装置の借り上げ、掃海艇ソナーシステムなどの日立製作所は4000万円を献金しています。
献金が確認できたのは10社。あわせて1億6620万円を献金していますが、この10社で、政府調達額の61%を占めていました。