2023年1月8日(日)
きょうの潮流
いよいよこの国は、正真正銘のアメリカの属国としての道を歩もうとしている―▼昨年末、敵基地攻撃能力の保有を明記した安保3文書と、10兆円規模の軍事費を盛り込んだ予算案を閣議決定した岸田首相。「自分の国は自分で守る」ためと説明しますが、果たしてどうか▼そもそもは2020年、当時のエスパー米国防長官が日本などに「GDP(国内総生産)比2%」の軍事費を要求したことが発端です。21年4月、菅義偉首相がバイデン大統領に「自らの防衛力強化」を公約。続いて岸田首相は昨年、GDP比2%を念頭に、軍事費の「相当な増額」を公約しました▼首相は物価高騰で苦しむ国民生活に目もくれず、「GDP比2%」の軍事費のために東日本大震災の復興税やコロナ対策積立金、さらに建設国債まで流用するなど、ありとあらゆる財源をかき集めました。そのお金で買うのは、アメリカ製の長距離巡航ミサイル・トマホークです▼首相は敵基地攻撃能力の保有、大軍拡予算という“成果”を報告するため、13日にバイデン氏と会談。これに先駆け11日、外務・防衛両大臣も訪米し、日米同盟の「抑止力・対処力」強化を協議します▼「自分の国は自分で守る」のではなく、「米国に守ってもらう」ためとして国家財政の相当部分を捧(ささ)げる。歴史上類を見ない“朝貢外交”です。しかし、米国が日本を守るどころか、逆に米国の戦争に巻き込まれ、日本の国土が戦場になるリスクを高めるだけです。亡国の道は止めるしかありません。








