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2023年1月6日(金)

第7回中央委員会総会

志位委員長の幹部会報告

 日本共産党の志位和夫委員長が5日の第7回中央委員会総会で行った幹部会報告は次のとおりです。


写真

(写真)幹部会報告する志位和夫委員長=5日、党本部

 みなさん、あけましておめでとうございます。2023年の新年にあたり、全国の同志のみなさんに、心からの敬意と連帯の気持ちをこめてあいさつをおくります。

 私は、幹部会を代表して、第7回中央委員会総会に対する報告を行います。

新型コロナ感染第8波から命を守る緊急のとりくみを

 冒頭、新型コロナ感染第8波への対応について報告します。

 年末から年始にかけて、医療の逼迫(ひっぱく)、高齢者施設でのクラスターの多発、過去最悪の死亡者数など、深刻な事態が起こっています。無為無策を続ける岸田政権の責任は重大であります。

 日本共産党は、12月26日、政府への緊急の要請を行い、国民に対する情報発信の抜本的強化、病床確保、発熱外来、高齢者施設への支援強化などを提起しました。国民の命を守るために、政府に対して責任ある対応を強く求めるとともに、全国の草の根からとりくみの強化をはかることを訴えるものであります。

一、7中総開催の目的について

 まず新年早々、第7回中央委員会総会を開催した目的についてのべます。

今年の最大の任務を「130%の党」づくりにおき、目標を必ず達成する

 第一の最大の目的は、2020年の第28回党大会で決定した党建設の目標――党員拡大と「しんぶん赤旗」読者拡大で、第28回党大会比130%の党をつくる、青年・学生と労働者、30代~50代などの世代で党勢を倍加し、民青同盟を倍加するという目標を、来年1月に開催予定の第29回党大会までに必ず達成するための、全党の意思統一をはかることであります。

 そのために7中総として、「『130%の党』をつくるための全党の支部・グループへの手紙」を、全国すべての支部・グループのみなさんにあてておくり、この運動を、文字通り、全支部・全党員の運動として発展させ、必ず成功させることを訴えたいと思います。

 今年、2023年のわが党の最大の任務を、「130%の党」をつくることにおき、今年を、党勢を大きな前進・躍進の軌道にのせる歴史的な年とするよう、あらゆる知恵と力を総結集して奮闘しようではありませんか。

目前に迫った統一地方選挙での勝利・前進にむけた総決起をはかる

 第二は、目前に迫った統一地方選挙で、日本共産党の勝利・前進にむけた総決起をはかることであります。

 統一地方選挙は、地方から岸田政権の大軍拡と暮らし破壊の政治にノーの審判を下すとともに、福祉と暮らしを守る自治体の役割を前進させる重大なたたかいになります。

 選挙戦の様相の、激しさ、厳しさを、私たちは直視しなければなりません。同時に、国政と地方政治で日本共産党が発揮している先駆的役割を広い有権者に伝えきり、「130%の党」をめざす党勢拡大の上げ潮をつくりだすという姿勢を最後まで堅持して頑張りぬくならば、勝利への活路を必ず切り開くことができます。このことに確信をもって、直面する政治戦を必ず勝ちぬこうではありませんか。

岸田内閣打倒の国民的大運動の方針、総選挙での反転攻勢の構えと目標を明らかに

 第三は、空前の大軍拡に反対するたたかい、物価高騰から暮らしを守るたたかい、原発ゼロ・気候危機打開のたたかい、ジェンダー平等を求めるたたかいなど、各分野から国民の願いにこたえた運動を大きく発展させ、それを一つに集めて、岸田内閣打倒の国民的大運動を起こしていく方針を明確にすることであります。

 そのなかで、次の国政選挙――総選挙で反転攻勢をかちとるために、日本共産党としてどういう政治的な構え、どういう政治目標をもって奮闘するかについても、方針を明らかにしていきたいと思います。

二、内外情勢と日本共産党の政治任務について

 内外情勢と日本共産党の政治任務について報告します。

タガが外れた危険な暴走――岸田政権打倒の国民的大運動を呼びかける

 岸田政権が、タガが外れたように危険な暴走を始めています。

 敵基地攻撃能力保有と大軍拡を宣言した「安全保障3文書」の閣議決定、10兆円を超える軍事費を計上した来年度予算案など、憲法を踏みつけにし、「専守防衛」をかなぐりすてた、「戦争国家づくり」への暴走が始まっています。

 原発問題でも、「原発依存度を可能なかぎり低減する」「新増設・建て替えはしない」「老朽原発は廃炉にする」という政府方針を大転換させて、福島第1原発の大事故を忘れたかのような原発回帰の方針を決定しました。

 これまで政府自身が原則としてきたことを根底から覆す大転換を、選挙で審判を仰ぐこともせず、国会にも国民にも説明せず、一片の「閣議決定」で強行する。こんな政治の横行を許すなら、民主政治は根底から破壊されてしまいます。

 物価高騰が暮らしと営業に襲いかかっています。多くの国民が生活苦の危機にあえぎ、中小業者が倒産・廃業の瀬戸際に追い込まれています。にもかかわらず、岸田政権は、破綻したアベノミクスと弱肉強食の新自由主義に固執し、まったくの無為無策ではありませんか。

 政治のモラル破壊が極限に達しています。統一協会と自民党との深刻な癒着が大問題となり、「政治とカネ」の問題が噴き出し、大臣や政務官が次々と辞任に追い込まれています。にもかかわらず、岸田首相には反省もなければ、自浄能力のかけらもありません。すべてを当事者まかせにして、癒着と疑惑にフタをする姿勢を続けています。

 岸田政権が、当初かかげた、「聞く力」「新しい資本主義」などの看板は、すっかり剥げ落ちました。自らの「保身と延命」のためには何でもやる。これが岸田首相の行動原理であります。安倍元首相にこびを売って「国葬」を強行し、米国にこびを売って大軍拡の方針を決め、財界にこびを売って原発回帰へと大転換する。戦後最悪の亡国の政権に、日本の政治のかじ取りをまかせるわけにはいきません。

 岸田政権の暴政と正面から対決し、国民の切実な願いを掲げて、各分野から国民的な運動を起こそうではありませんか。それを一つに合流させて、岸田政権を打倒する国民的大運動を発展させようではありませんか。「国民が主人公」の新しい日本を求める政治の新しい流れをつくりだそうではありませんか。

大軍拡反対の声をいかにして国民多数派にしていくか

 岸田政権の大軍拡に反対し、憲法、平和、暮らしを守るたたかいは、今年、日本共産党がその存在意義をかけてとりくむべき最大のたたかいであります。

 「安保3文書」で宣言された大軍拡の恐るべき危険性については、閣議決定にあたっての党の声明、元旦の「新春インタビュー」などで明らかにしてきました。報告では、それらを前提にして、“大軍拡反対の声をいかにして国民多数派にしていくか”についてのべたいと思います。

「二つの大ウソ」を暴き、危険性を事実と道理にそくして明らかに

 まず強調したいのは、「安保3文書」の「二つの大ウソ」を暴き、その危険性を事実と道理にそくして明らかにしていくことであります。

 第一の「大ウソ」は、「専守防衛は変わらない」という「大ウソ」であります。「安保3文書」には、「専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国にならず」とありますが、これほどの恥知らずな偽りはありません。トマホーク・ミサイルのような長射程のミサイルを買いそろえ、「GDP比2%以上」の大軍拡で米中につぐ世界第3位の軍事大国になる。これは文字通り「他国に脅威を与える軍事大国」そのものではありませんか。「専守防衛」を完全に投げ捨てながら、「専守防衛に徹し」とぬけぬけとウソをつく。この「大ウソ」を明らかにしていこうではありませんか。

 第二の「大ウソ」は、「自分の国は自分で守る」という「大ウソ」であります。敵基地攻撃能力の保有と大軍拡は、「軍事対軍事」の悪循環――「安全保障のジレンマ」を引き起こし、日本のリスクを高め、戦争に近づくことになります。とくに深刻な現実的危険は、集団的自衛権の行使として敵基地攻撃を行うことです。この道に踏み出せば、日本が武力攻撃を受けていないにもかかわらず、相手国の報復攻撃を招き、国土は焦土と化すことになります。「日本を守る」でなく、「米国の戦争に日本を巻き込み、国土を焦土と化す」――これこそ正体だということを、広く明らかにしていこうではありませんか。

「平和の対案」を語る――党の「外交ビジョン」が内外で力を発揮している

 同時に、重要なのは、「平和の対案」を語ることであります。どうしたら戦争の心配をなくせるか――国民の不安と探究に正面からこたえることです。

 日本共産党は、昨年の「党旗びらき」で、憲法9条を生かして東アジアに平和をつくる「外交ビジョン」を提唱し、内外でその実現のために力をつくしてきました。

 憲法9条を持つ日本こそが、東南アジア諸国連合(ASEAN)と協力し、現にある東アジアサミット(EAS)という地域のすべての国を包摂する平和の枠組みを発展させ、東アジアを戦争の心配のない地域にしていくイニシアチブを発揮すべきだ――これが日本共産党が提唱している「外交ビジョン」の内容です。この1年間の内外の激動を経て、この道こそが東アジアに平和をつくる大道だということが、明らかになったのではないでしょうか。

 わが党は、参議院選挙での論戦をはじめ、大軍拡に反対する論戦で、この「平和の対案」を掲げて奮闘してきましたが、多くの国民に共鳴を広げています。市民連合運営委員・上智大学教授の中野晃一さんは、中野さんも参加した「平和構想提言会議」が提唱した「平和構想」とわが党の「外交ビジョン」について、次のように語っています。

 「(平和構想は)東アジアで敵をつくらない『共通の安全保障』の促進を提起し、ASEANなどの枠組みを活用して中国を組み込む形での平和的な共生圏をつくろうと目指すものですが、共産党の『外交ビジョン』とも共鳴できる部分が多々あり、『やっぱり同じように考えているんだ』と心強く思っています」

 私たちにとっても大変心強い評価であります。

 国際舞台でも、日本共産党は、「外交ビジョン」を広く訴えてきました。昨年11月、トルコ・イスタンブールで行われたアジア政党国際会議(ICAPP)第11回総会で、党代表団は、「外交ビジョン」の方向が総会の総意になるように奮闘しました。その結果、全会一致で採択された「イスタンブール宣言」に、「ブロック政治を回避し、競争より協力を強調する」と明記されたことは重要であります。わが党の「外交ビジョン」の方向――とりわけ排他的=「ブロック」的な対応でなく、包摂的な平和の枠組みをつくろうという方向が、アジアの政党の総意となったことは、たいへんに心強いことではないでしょうか。

 日本共産党は、昨年11月と12月、党代表団をヨーロッパに派遣し、欧州の左翼・進歩政党との交流と連帯の強化という新しいとりくみに踏み出しました。このなかで、ユーラシア大陸の東と西で起こっている軍事ブロック強化と大軍拡に対して、連帯して反対していくことが確認されたことも重要であります。

 「二つの大ウソ」を暴き、「平和の対案」を語る――これを全国民的規模でやりぬき、大軍拡を許さないゆるがない国民的多数派をつくっていこうではありませんか。

批判の声を大きく合流させ、「岸田政権の大軍拡反対」の一点で国民的多数派を

 国民的多数派をつくっていく場合に、「日米同盟は重要」と考える方、「多少の軍事費増は必要だ」と考える方のなかでも、「岸田政権の大軍拡には賛成できない」という声が、広く起こっており、そういう方々とも広く手をつないでいくことが重要であります。

 岸田政権の空前の大軍拡計画は、あらゆる面で矛盾を引き起こしています。とりわけ、「異次元の軍事費拡大」が、社会保障と教育をはじめ暮らしの予算の圧迫・削減をもたらし、大増税に道を開くことに対して、強い怒りの声が広がっています。「軍事栄えて民滅ぶ」の日本にしてはなりません。平和の願いと暮らしの願いを一つに合流させて、国民的運動を発展させようではありませんか。

 国民のなかでいま沸き起こっているさまざまな批判の声を大きく合流させて、「岸田政権の大軍拡反対」の一点で国民的多数派をつくり、この大逆流を必ず打ち破ろうではありませんか。

物価高騰から暮らしと経済を立て直す――日本共産党の「緊急提案」の意義

新自由主義とアベノミクスがもたらした日本経済の三つの構造的なゆがみ

 40年ぶりの物価高騰が暮らしと経済を直撃しています。とりわけ深刻なのは、働く人の賃金が大きく下がり、経済成長が止まるという日本経済の長期低迷のうえに、物価高騰が襲い掛かっていることです。こうした事態は、戦後かつてなかったことであり、日本経済と国民生活は、きわめて深刻な危機に直面しています。

 この根本には、弱肉強食の新自由主義とアベノミクスがもたらした日本経済の三つの構造的なゆがみがあります。

 一つは、異常円安を引き起こした「異次元の金融緩和」の無残な失敗です。日本銀行が長期金利を0・25%から0・5%に引き上げる政策修正を行いましたが、これは「異次元の金融緩和」の完全な行き詰まりが露呈したものにほかなりません。金融頼みの政策から、実体経済を良くする、とくに内需を活発にする政策へと、経済政策の抜本的転換がいよいよ急務となっています。

 二つは、構造的な貿易赤字です。昨年10月は、2兆円以上の赤字となり、1979年以降では最大の貿易赤字幅となりました。異常円安なのに貿易赤字が拡大する。まさに異常な悪循環が起こっています。それは、新自由主義のもと、「国際競争力」の名で労働コストを削減する政策を進め、企業の海外移転が進み、日本経済の「空洞化」が進んだ結果であります。食料とエネルギーの海外依存を進めたことも、貿易赤字を拡大する結果となりました。

 三つは、「賃金が上がらない国」にしてしまったことです。新自由主義のもと、労働法制の規制緩和が連続的に進められ、非正規雇用労働者を拡大してきたことが、「賃金が上がらない国」の大きな原因となりました。

 今日の物価高騰による暮らしと営業の困難の責任を、世界的なインフレーション、ロシアのウクライナ侵略など外的要因だけに転嫁することは許されません。新自由主義とアベノミクスがつくりだした日本経済の三つの構造的なゆがみこそが危機の根源にあることを、厳しく指摘しなくてはなりません。

党の「緊急提案」――緊急の対策、構造的なゆがみをただす抜本的対案

 日本共産党が昨年11月に発表した「物価高騰から暮らしと経済を立て直す緊急提案」は、物価高騰から暮らしと営業を守る緊急の対策であると同時に、新自由主義とアベノミクスがもたらした日本経済の三つの構造的なゆがみをただし、「やさしく強い経済」を実現する抜本的な改革の提案となっています。

 暮らしを守るうえでも、経済立て直しのうえでも、賃上げがカギであることは誰も否定しませんが、「大企業の内部留保への時限的課税で、大企業でも中小企業でも政治の責任で賃上げを促進する」という総合的で具体的な賃上げ策を提案しているのは日本共産党だけであります。これは国民の暮らしを土台から支えるとともに、大企業の内部留保に500兆円をこえる富が蓄積し、経済、とりわけ賃金に還流しないという大きなゆがみを是正する抜本的な方策でもあります。

 消費税減税と社会保障・教育の負担軽減は、物価高騰から暮らしと営業を守る最も効果的な緊急策であるとともに、2度にわたる大増税で国民の所得を奪い、家計消費を冷やし続けてきたアベノミクスからの大転換ともなるものです。

 過剰債務問題の解決、インボイス(適格請求書)の中止などは、中小企業・小規模事業者の大量倒産を回避するための緊急の対策であるとともに、日本経済の主役であり、地域経済の支え手である中小企業を「つぶさせない」ことは、経済の健全な立て直しの土台となります。

 農業・漁業への支援の抜本強化は、農業・漁業経営を守るだけでなく、食料自給率を引き上げるという日本国民の生存がかかった課題です。再生可能エネルギーと省エネルギーの推進によって、エネルギー自給率を向上させることは、国民生活と経済の安定とともに、気候危機打開のための人類的責任を果たすことにもなります。

 どれも緊急策であるとともに抜本的な改革の提案を示したものであります。

 さらに、わが党の「緊急提案」は、富裕層や大企業への応分の負担、大軍拡の中止などによって約20兆円の財源をつくりだすという、責任ある財源論も提起しています。いま岸田政権が、大軍拡の財源に国債をあてるという禁じ手まで使い、国の財政への責任を放棄しているもとで、わが党が責任ある財源論を提案していることは、とりわけ重要であります。

 物価高騰に苦しむ国民の願いにこたえた活動に、国民とともにとりくみ、「緊急提案」の方向で暮らしと経済を立て直すために、国民の苦難軽減を立党の原点とする党として全力をあげようではありませんか。

危機に乗じた原発推進政策を許さない――原発ゼロ・脱炭素の国民的運動を

 岸田首相を議長とするGX(グリーントランスフォーメーション)実行会議は、昨年12月、原発の新規建設、老朽原発の60年を超える運転など、新たな原発推進政策を決定しました。参院選では「新増設など考えていない」と言いながら、選挙が終わったら財界と原発利益共同体の要求に迎合して百八十度方針を転換する。やり方の面でも卑劣きわまりないではありませんか。

 この大転換は、二重の意味で、危機に乗じた邪悪な党略というほかないものであります。

 第一は、ロシアのウクライナ侵略による国際エネルギー市場の混乱、電力不足と電気代値上がりを利用して、原発回帰路線への転換をはかるという党略です。

 第二は、気候危機という人類的危機を利用して、二酸化炭素削減のために原発の建設をという党略です。

 日本共産党は、原発事故の教訓を忘れ、被災者の苦しみを忘れ、邪悪な党略的手法で、原発回帰を強権的にすすめる方針の断固撤回を強く求めてたたかうものです。

 気候危機打開にむけた脱炭素化を進めるためには、日本共産党の「2030戦略」が示しているように、石炭火力や原発に依存するエネルギー政策をきっぱりと転換し、省エネと再エネの思い切った拡大を本気で進めることこそ必要であります。省エネと再エネの推進は、エネルギーの自給率向上と安定供給、さらに電力を安価にするうえでも決定的に重要であります。

 危機に乗じた原発推進政策を許さず、原発ゼロ・脱炭素の実現へ、新たな国民的運動を起こそうではありませんか。

ジェンダー平等を求める大きなうねり――障害を打破するために力をあわせよう

ジェンダー平等を求める運動が、大きなうねりとなって広がっている

 ジェンダー平等を求める運動が、大きなうねりとなって広がっています。

 男女の賃金格差是正など職場でのジェンダー平等を求める運動、選択的夫婦別姓や同性婚を求める運動、性暴力・セクハラ・痴漢など女性への暴力根絶を求める運動、生理の貧困の打開や人工妊娠中絶における女性の自己決定権の尊重などリプロダクティブ・ヘルス&ライツ(性と生殖に関する健康と権利)の確立を求める運動など、誰もが自分らしく尊厳をもって生きることができる社会をめざした運動が、さまざまな分野でうねりとなって広がっています。

 日本婦人団体連合会と連合会に加入する諸団体など、戦後一貫して女性解放のために活動してきた団体が、これらの運動を支える土台として大きな貢献をしています。私は、深い敬意の気持ちをのべるとともに、日本共産党としてジェンダー平等を求めるあらゆる運動に連帯し、その発展のためにともに歩む決意を申し上げたいと思います。

社会と政治のゆがみをただすために力をあわせよう

 同時に、ジェンダー平等の日本をつくるうえで大きな障害となっている二つのゆがみをただすとりくみに、力をあわせることを呼びかけたいと思います。

 一つは、口では男女平等を言いながら、実際は自らの利益優先をジェンダー平等のうえにおく財界・大企業の姿勢であります。この間の国民の運動に押されて、男女の賃金格差の公開に向けた第一歩が開始されました。情報公開が始まりますが、パートなど非正規労働者の賃金を「1日8時間働いた」として「常勤換算」することも可能としたために、賃金格差の実態が正確に判断できないという事態も生まれています。男女の賃金格差をなくしていくためには、格差の実態を覆い隠そうとするさまざまな動きを打ち破っていくことが必要となっています。

 いま一つは、自民党と改憲・極右勢力が、明治憲法下、女性が無権利だった戦前を「美しい国」などと美化し、古い家族観、家父長制、男尊女卑を政治と社会に押し付ける逆流となっていることであります。選択的夫婦別姓も、同性婚も、リプロダクティブ・ヘルス&ライツも、その実現の壁となっているのが、この勢力であります。統一協会をこの逆流の先兵として利用していることは、とりわけ許しがたいことではないでしょうか。

 ジェンダー平等社会の実現をめざして、その大きな障害となっている政治と社会のゆがみをただすために力をあわせようではありませんか。

 そして、戦争こそは女性に対する最悪の暴力であり、ジェンダー平等にとっての最悪の憎むべき敵であります。国連事務次長の中満泉さんが訴えているように、ジェンダー平等を平和構築の中核にすえることが大切であります。岸田政権の大軍拡を許さない国民的運動を発展させるさいにも、ジェンダー平等の視点を貫いていきたいと思います。

国民の世論と運動で政権を包囲し、解散・総選挙に追い込み、躍進をかちとろう

 敵基地攻撃能力保有と大軍拡も、原発回帰への政策の大転換も、岸田首相は、参院選で一言ものべなかったことであります。一片の「閣議決定」などでそれを覆すなど、民主政治のもとで絶対にあってはならないことであります。物価高騰への無為無策、政治のモラル破壊も、このまま続けさせるわけにいかないではありませんか。

 まずは統一地方選挙で、日本共産党の勝利・前進をかちとり、岸田政権の暴政へのノーの審判をくだそうではありませんか。

 さらに、日本共産党は、衆議院を解散し、総選挙を行い、国民に信を問うことを求めてたたかいます。とりわけ「専守防衛」を覆す大軍拡をやるというなら、主権者である国民に審判を仰げと強く求めてたたかおうではありませんか。そして、来たるべき総選挙では、日本共産党の躍進を必ずかちとり、岸田自公政権とその最悪の補完勢力――日本維新の会に厳しい審判を下そうではありませんか。

 日本共産党は、来たるべき総選挙で、比例代表で「650万票、10%以上」を獲得し、すべての比例ブロックでの議席獲得、議席増を目標にたたかいます。沖縄1区の宝の議席を絶対に守り抜き、小選挙区での議席増のために奮闘します。

 市民と野党の共闘の再構築のために力をつくします。

 岸田政権打倒の国民的大運動を起こし、国民の世論と運動で政権を包囲し、解散・総選挙に追い込み、日本共産党の躍進をかちとろうではありませんか。

三、「特別期間」の到達点と教訓について

 次に「特別期間」の到達点と教訓について報告します。

「党創立100周年記念、統一地方選挙勝利・党勢拡大特別期間」の到達点

 全党は、8月初めの6中総決定が呼びかけた「党創立100周年記念、統一地方選挙勝利・党勢拡大特別期間」に全力をあげてとりくんできました。

 「特別期間」の第一の課題にすえた党勢拡大では、党員拡大は、毎月の現勢での前進には届いていませんが、全党的に月を追うごとに入党の働きかけが増え、5カ月間で2万人を超える方々に入党を働きかけ、2064人の新しい入党者を迎えました。青年・学生、労働者、30代~50代の入党者の比率は34・2%となりました。党創立100周年の記念すべき年に、日本共産党の新しい一員となったすべての新しい同志のみなさんに、中央委員会総会として心からの祝福と歓迎のメッセージをおくりたいと思います。ともに頑張りましょう。

 「しんぶん赤旗」の読者拡大は、党大会時回復・突破の目標には距離を残しましたが、日刊紙、日曜版、電子版ともに、10月、11月、12月、3カ月連続で前進をかちとったことは、たいへんに重要であります。

 民青同盟が、年間1500人という拡大目標を超過達成する1700人を超える新たな同盟員を迎えて、全国大会を大きく成功させたことは、私たちにとっても大きな喜びであります。

 統一地方選挙勝利をめざす独自の課題では、9月から12月末までの第1次全国遊説は全国161カ所、参加者総数は7万5千人を数え、勝利にむけた政治的勢いをつくりだしています。「折り入って作戦」にとりくんだ支部は28・2%、働きかけ数は19万8千人、協力約束は9万7千人となっています。「集い」の開催は5430回であります。

「特別期間」の結果をどう総括し、どういう教訓を引き出すか

 「特別期間」の結果をどう総括し、どういう教訓を引き出すか。私は、次の3点を強調したいと思います。

 第一は、全党のみなさんの奮闘によって、悔しい後退から、新たな前進へと、党活動の流れを変えてきたということであります。6中総決定は、参院選の結果を「二重の大逆流によって大きく押し込まれた地点から、全党の奮闘によって押し返す過程での一断面」と総括しました。ここから出発して、全党は6中総決定を力に、“がっかり感”を“元気”に変えながら「特別期間」に立ち上がり、9月17日の党創立100周年記念講演、11月3日の全国都道府県委員長会議などを力に、新たな前進にむかう確かな流れをつくりだしつつあります。ここには日本共産党ならではの不屈性の発揮があることを、全党のみなさんの奮闘への心からの敬意と感謝をこめて強調したいと思います。

 第二は、党活動のなかで党員拡大を第一義的な課題にすえ、党のさまざまな困難を党員拡大で突破しようという決意が全党に広がりつつあるということであります。これは、今年のたたかいに生きる重要な変化であります。そのなかで、党創立100周年記念講演を力に、日本共産党の歴史と綱領の全体を学び、語り、伝える、新しい質の党員拡大運動が広がったことも、今年、さらに大きく発展させるべき重要なとりくみであります。

 第三に、「特別期間」では、新たな前進にむかう確かな流れをつくりだしましたが、その到達点は目標に照らしますと大きな距離を残したことを直視し、いま活動の飛躍をはかることがどうしても必要です。そのための今年の最大の課題は、党建設をいかにしてすべての支部と党員の運動にしていくかにあります。

 「特別期間」で、入党の働きかけに踏み出した支部は36・9%、入党者を迎えた支部は9・6%、読者拡大で成果をあげた支部は56・6%となっています。昨年12月、常任幹部会の「全党の支部・グループのみなさんへの手紙」が積極的に受け止められ、支部のたちあがりが末広がりに広がったことは大きな確信であります。同時に、「手紙」を討議した支部は74・0%であり、広がりましたが未討議の支部を残しました。

 党建設をすべての支部と党員の運動にしていくことにこそ、今年の活動を成功させる最大のカギがあります。そのことを、「特別期間」の最大の教訓として銘記して奮闘しようではありませんか。

四、第29回党大会までに「130%の党」をつくろう

 「特別期間」の到達点を踏まえ、第7回中央委員会総会として、来年1月の第29回党大会までに、党員と読者で「130%の党」をつくり、若い世代・真ん中世代での党勢を倍加するために、あらゆる力をそそぐことを、全党のみなさんに呼びかけます。

なぜ「130%の党」か――緊急で死活的な意義を訴える

 なぜ「130%の党」か。まず何よりも「130%の党」をつくることは、第28回党大会が全党の総意として決定した目標であり、その実践は党大会に対する全党の責任であることを強調したいと思います。そのうえで、いま「130%の党」をつくる緊急で死活的な意義について三つの点を訴えたいと思います。

大軍拡ストップ、統一地方選・総選挙勝利――直面する政治任務実現のために

 第一に、いまわが党が直面する政治任務を実現するには、「130%の党」をつくることがどうしても必要であります。

 岸田政権の大軍拡を止めるためには「130%の党」が必要であります。大軍拡の逆流に多くの党がのみこまれ、“大軍拡への翼賛体制”がつくられかねない状況が生まれているもとで、この逆流と正面から対決する日本共産党の役割と責任はきわめて大きなものがあります。国民多数を結集して大軍拡を打ち破ることは長丁場のたたかいにもなります。1世紀におよぶ反戦平和の歴史をもち、大軍拡の根源にある日米軍事同盟解消を掲げる日本共産党が、たたかいと一体に強く大きな党をつくることは、党の存在意義がかかった平和への重大な責任であります。

 目前に迫った統一地方選挙で勝利をかちとるためには、「130%の党」にむかって党勢の大きな上げ潮をつくりだすことが絶対不可欠であります。昨年の中間地方選挙で、残念ながら、わが党は議席と得票の後退傾向を脱していませんが、前進をかちとった選挙区の多くでは党員拡大が重要な契機となっています。真ん中世代の2人を党に迎えたことが、支部の空気を一変させ、得票数・率とも伸ばして高位当選をかちとるなどの経験が生まれています。

 そこで「130%の党」にむかう中間目標を明確にして、実践することを提案します。統一地方選挙を直接たたかう党組織も、選挙がない党組織も、3月末までに、党員でも読者でも、4年前の水準を回復・突破することを、「130%の党」にむかう中間目標にすえ、党勢の大きな上げ潮のなかで選挙に勝ち、さらに大きな党をつくることを訴えるものであります。

 次の国政選挙――総選挙で反転攻勢を実現し、政党間の力関係を大きく変えるためには「130%の党」がどうしても必要であります。私たちは、2021年の総選挙、22年の参院選で、大義の旗を掲げて奮闘しましたが、支配勢力の激しい攻撃もあり、悔しい後退を喫しました。その最大の原因が、自力が足らないことにあったことは、全党のみなさんが痛いほど実感されていることだと思います。来たるべき総選挙での「650万票、10%以上」の得票目標は、2021年の総選挙で獲得した416万票の1・5倍、22年の参院選で獲得した361万票の1・8倍となる目標です。来たるべき総選挙で、悔しさを晴らそうじゃないですか。どんな情勢が展開しても党の躍進を実現するために、「130%の党」を必ずつくろうではありませんか。

「夜明け前」を「夜明け」に――綱領路線実現のために

 第二に、より長期の視野に立って、党の綱領路線を実現するためには、次期党大会までに「130%の党」と若い世代・真ん中世代での党勢倍加をやりぬき、党勢を後退から前進へと転換させることが、どうしても必要になっています。

 党創立100周年記念講演は、61年綱領確定後の60年余の「政治対決の弁証法」の歴史的な教訓を踏まえて、1960年代から70年代のような「強く大きな党をつくり、その力で選挙に勝ち、さらに強く大きな党をつくる」という法則的発展を、新しい情勢のもとでつくりだそうと呼びかけました。

 この60年余、日本共産党は3回の躍進を記録していますが、そのたびごとに支配勢力は、反共キャンペーンと反動的政界再編でこたえました。しかし、反共と反動のくわだての一歩一歩が、矛盾を広げ、支配体制をもろく弱いものにしています。

 経済政策では、弱肉強食の新自由主義の政策が行われ、公共部門の民営化、社会保障削減、労働法制の規制緩和が強行され、格差が拡大するとともに、日本は世界でも例外的な「賃金が上がらない国」「成長できない国」に落ち込みました。

 外交・安保分野では、アフガニスタン戦争とイラク戦争など海外派兵が開始され、憲法違反の集団的自衛権行使に道を開いた安保法制が強行され、いま敵基地攻撃能力保有と空前の大軍拡によって、日本の国のあり方が「戦争国家」へと根底からつくりかえられようとしています。

 これらは自民党政治と国民との矛盾を広げ、矛盾を蓄積し、行き詰まりを深刻にしています。自民党政治というシステムと国民との矛盾が、限界に達しているのであります。「大局的・客観的に見るならば、日本はいま、新しい政治を生み出す『夜明け前』になっている」――これが60年余の「政治対決の弁証法」の歴史から引き出した、今日の日本の大局的な情勢論であります。

 こうして客観的には、新しい政治をつくる条件は成熟しています。問題は、変革の主体的な条件がつくりだされていないことにあります。どんなに客観的条件が成熟しても、社会を変える主体的条件をつくらなければ、社会は自動的には変わりません。「夜明け前」を「夜明け」に変えるためには、それを担う統一戦線と、強く大きな日本共産党を建設することが今どうしても必要であります。

 綱領路線実現という大志に立って考えますと、日本の現状が切実に求めているものに比べて、いまの私たちの党勢はあまりにも小さい。これを全党の力で打開しようではありませんか。綱領路線実現の第一歩として、みんなで力をあわせて「130%の党」を実現しようではありませんか。

危機を直視し、可能性を生かし、新鮮な活力あふれた日本共産党をつくろう

 第三に、わが党の現状は、いま抜本的な前進に転じなければ未来がなくなる危機に直面しているとともに、前進に転じる大きな可能性も存在しています。危機と可能性の両面をとらえることが大切です。可能性に確信をもち、「130%の党」への前進で危機を打開しようではありませんか。

 党組織の危機と困難が、3年前の党大会の時点からもさらに進行しています。最も分厚い党勢をもつ世代が70代となっています。全国の少なくない支部が、このまま推移すれば、国民の苦難軽減の活動、綱領実現の多数派をつくる任務を果たしえなくなる事態に直面しています。「しんぶん赤旗」の発行と、配達・集金活動の維持が困難に直面しています。これらの危機と困難は、全国の同志のみなさんが痛いほど実感されていることだと思います。私たちも、こういう実態に心を痛めない日は、一日たりとしてありません。

 しかし困難があるからと党づくりを諦めるならば、党の未来はなくなります。そして、「強く大きな党をつくりたい」「新しい世代にこの事業を引き継ぎたい」――これは全党のみなさんの共通の強い願いではないでしょうか。この願いを一つに集めて、党づくり、党員拡大によって困難を打開する――変革の精神で危機を打開しようではありませんか。

 わが党には、それをやりぬく可能性が大いにあります。

 ――何よりも、私たちは、科学的社会主義の本来の生命力を21世紀の現代に全面的に生かし、世界と日本の情勢の正確な分析のうえに、未来への展望を指し示す党綱領をもっています。1世紀にわたって平和と社会進歩のために貢献してきた比類ない歴史をもっています。

 ――日本共産党の政治的影響力は、国政選挙で三百数十万から四百数十万を獲得するなど、党勢に比べてはるかに大きなものがあります。それは歴史的に見ても、党づくりで飛躍的前進を開始した1960年代と比べてもはるかに大きなものです。

 ――全党のみなさんのたゆまぬ奮闘によって、わが党は1万7千の党支部、約26万の党員、約90万の「しんぶん赤旗」読者、2500人の地方議員を擁し、他党の追随を許さない草の根の力に支えられた党であります。

 ――約26万人の党員の約3分の1、約9万人は、1960年代、70年代に入党し、今日まで半世紀前後にわたって党の旗を守り、幾多の試練をのりこえて頑張りぬいてきた同志であり、そうした同志を数多く擁していることは、わが党の誇りであり強みであります。

 ――民青同盟が、1500人という年間目標を大きく超過達成したことは、わが党にとっても大きな希望であり、若い仲間たちの頑張りに学ぼうではありませんか。

 全党のみなさんに心から訴えます。これらの可能性に深い確信をもって、それを全面的に生かし、「130%の党」と若い世代・真ん中世代の党勢倍加をかちとり、新鮮な活力にあふれた日本共産党をみんなでつくろうではありませんか。

「『130%の党』をつくるための全党の支部・グループへの手紙」を生かして

「130%の党」への道はただ一つ――全支部参加の運動にしていくこと

 それではいかにして「130%の党」を実現するか。道はただ一つです。全国のすべての支部・グループが参加する運動にしていくことであります。

 「130%の党」とは、全党的には36万人の党員、130万人の「しんぶん赤旗」読者への前進をめざす大事業であります。同時に、すべての支部・グループでこの事業を担うならば、来年1月の党大会までに、平均して、1支部あたり、現勢で、2カ月に1人の党員、1人の日刊紙読者を増やし、3人の日曜版読者を増やせば実現できます。「高い山」のように見えますが、みんなで担えば実現できる。すべての支部・グループの運動にするならば、必ず道は開けます。

 「特別期間」で、全党が最も力を入れてきたのはここにありました。12月には、常任幹部会として「全党の支部・グループのみなさんへの手紙」をおくり、この「手紙」にこたえた奮闘が全国で広がりました。この道を、より力強く、最後の一支部まで徹底的に発展させることにこそ、「130%の党」をつくる大道があることを、訴えたいのであります。

7中総として、全党の支部・グループに「手紙」をおくることを提案する

 この立場から、幹部会は、第7回中央委員会総会として、新しい手紙――「『130%の党』をつくるための全党の支部・グループへの手紙」を、すべての支部・グループのみなさんにおくることを提案するものです。「手紙(案)」をお手元に配布してありますので、それを見ながらお聞きください。

 「手紙」は、今お話しした、なぜ「130%の党」か。その緊急で死活的な意義を訴え、すべての支部・グループが「130%の党」にむけた自覚的目標をもち、力をあわせて大事業をやりぬこうということを、心を込めて訴えています。

 そのうえで、「手紙」は、「支部で具体化・実践してほしい五つの点」を呼びかけています。

 第一は、すべての支部が、「政策と計画」をもち、要求運動にとりくむことです。とりわけ、大軍拡反対の国民的大運動を草の根から起こすことです。

 第二は、支部のあらゆる活動のなかで党員拡大を正面から追求し、思い切って広く働きかける、「党員拡大の日常化」にチャレンジすることです。読者拡大でも、紙面の魅力で新しい読者を増やす「お試し作戦」も含め、独自追求をはかることです。

 第三は、“綱領と歴史で党をつくる”を合言葉に、党綱領と党創立100周年記念講演の学習にとりくみ、党づくりの政治的推進力にすることです。

 第四は、週1回の支部会議開催をめざし、支部会議を定期に開催し、「楽しく元気の出る支部会議」にする努力をつくすことです。

 第五は、統一地方選挙勝利、国政選挙――総選挙での躍進にむけた目標と計画を具体化し、勝利に必要なとりくみをやりぬくことです。

 そのうえで「手紙」は、次期党大会までに「130%の党」をつくろうという提起は、私たち中央委員会としての反省を込めて提起したものであることを率直にのべています。昨年11月の全国都道府県委員長会議の結語でものべたように、長い間、党組織の後退が続くなかで、私たちのなかにも、知らず知らずのうちに後退に慣れてしまう、目標を決めても責任を負い切らない、そうした惰性が生まれていました。こういう一切の惰性を中央から一掃する決意を込めて、「130%の党」を提案しているとのべています。

 さらに、「手紙」では、中央の姿勢として、「現場で頑張っているみなさんが、一番苦労している問題、困っている問題を、ともに解決していく」という姿勢を貫いて奮闘することものべています。

 「手紙」は最後に、全党の支部・グループが、「手紙」を討議していただき、「130%の党」と、若い世代・真ん中世代の党勢倍加をめざす、それぞれの自覚的目標と計画をしたためた「返事」を、党機関を通じて、どんなに遅くとも2月末までに中央委員会にお寄せいただきたい、と呼びかけています。

 7中総として、すべての支部・グループにあてて、以上の内容で「手紙」をお届けし、全党の支部・グループのみなさんと、私たち中央委員会が、互いに学び合い、心を通わせあって、「130%の党」を必ず実現していきたい。これが幹部会の提案であります。

党機関のみなさんへ――「130%の党」への三つのイニシアチブの発揮を

 そのうえで党機関としてどういう活動が重要か。

 都道府県委員会、地区委員会のみなさんに、「130%の党」を実現するために、三つのイニシアチブを発揮することを訴えます。

「手紙」を文字通り全支部・グループに届け切り、討議・具体化を援助しぬこう

 一つは、7中総の「手紙」を、文字通り一つ残らず、すべての支部・グループに届け切り、支部での討議・具体化を援助しぬくことであります。

 昨年12月、常任幹部会の「手紙」を届け、実践する運動で、すぐれた経験が全国でつくられました。

 神奈川県・横浜西南地区委員会は、「手紙」を討議した支部が97・8%となり、12月は、入党働きかけ目標を大きく上回る144人に働きかけ、6人を党に迎えています。地区委員会では、約4割あった支部会議「未開催」「月1回」支部の一覧表をつくり、一つひとつの支部の困難に寄り添った援助を強めました。「困難な支部から援助しよう」と真剣な議論を重ね、決意を固めあったことが、地区役員の支部に向かう姿勢を変え、大きな変化をつくっているとの報告であります。

 党機関の責任で、困難に直面している支部を含めて、最後の一支部まで「手紙」を届け、討議・具体化への援助をやりぬこうではありませんか。その第一関門として、文字通りすべての支部が、遅くとも2月末までに中央委員会に「返事」を寄せるよう、援助をしぬこうではありませんか。

「支部で具体化・実践してほしい五つの点」――すぐれた経験に学び懇切な援助を

 二つは、「手紙」が呼びかけている「支部で具体化・実践してほしい五つの点」を、支部と一緒になって具体化し、支部が実践に足を踏み出すための懇切な援助をつくすことであります。この点でも、この間の全国のすぐれた経験に学びたいと思います。

 ――支部のあらゆる活動のなかで党員拡大を正面から追求し、「党員拡大の日常化」をはかる先駆的とりくみが生まれています。

 「特別期間」で入党を働きかけた支部の率が全国1位、85・7%となり、13人を党に迎えている千葉県・西部地区委員会は、「すべての支部が党員拡大を日常的に位置づけ、毎月100人、入党を働きかけるようになれば党が変わる」と支部に提案し、支部会議でもレジュメの第一議題に党員拡大が入るよう支部長・支部指導部と相談して推進しています。地区委員長の椎葉寿幸さんは、「党員拡大は、党を正面から語っていくとりくみであり、選挙活動そのものでもあります」「党員拡大の運動を日常化することが肝だと考えてやってきました。少しずつ入党の働きかけも伸び、質的にも変化してきたと感じます」と語っています。

 支部のあらゆる活動のなかで党員拡大にチャレンジし、その日常化をはかろうではありませんか。

 ――党綱領と党創立100周年記念講演の学習への援助に力を注ぎ、党勢拡大の政治的推進力にしている経験が全国に広がっています。

 11月に8人の党員を迎え月目標を達成し、12月も8人を迎えている東京都・葛飾地区委員会は、木村陽治・元都議会議員を講師に、支部ごとの綱領学習会を継続していることが大きな力になっています。綱領学習会は、一昨年の総選挙での悔しい結果に、ある地域支部から「綱領を学びたい」との要請があり始まりました。今では地域支部の約半数、複数の職場支部にも広がっています。1回2時間、綱領の章ごとに5ラウンドで学習会を行っていますが、学習を重ねるうちに「党外の人にも聞かせたい」「入党してほしい人に来てほしい」と、綱領を学ぶ「集い」になるケースも多く、党員を迎える契機ともなっています。

 “綱領と歴史で党をつくる”を合言葉に、こうしたとりくみを全国のすみずみに広げようではありませんか。そのさい毎日の「しんぶん赤旗」を読み、毎週の「しんぶん赤旗」日曜版を読む気風を全党に定着させることを重視することを訴えるものです。

 ――「楽しく元気の出る支部会議」の定期開催にかかわって、西日本のある教職員集合支部の経験を紹介したいと思います。

 この支部は、党大会後、党員を7人から10人へと3人増やし、「130%」を達成しています。この土台には、「ホッとできる楽しい支部会議」の定期開催があります。支部会議を、職場での悩みを交流できるホッと和む時間、若い党員が興味のあるテーマでの丁寧な学習の時間と位置づけて大切にするなかで、30代の党員が、同じ職場の20代の同僚2人を党に迎えています。地区委員長が、支部会議に欠かさず出席し、悩みによく耳を傾け、政治的・理論的援助を中心にした親身な援助を続けてきたことが大きな力となっています。

 「楽しく元気の出る支部会議」にできれば、新しい同志を迎える意欲はいっそう強まります。同時に、新しい同志を迎えることが、「楽しく元気の出る支部会議」をつくる契機にもなってきます。両者を一体に進めようではありませんか。

世代的継承――若い世代のなかでの「党勢倍加」「民青倍加」に全党挙げて挑戦を

 三つは、党のもつあらゆる可能性を総結集して、世代的継承にとりくむことであります。青年・学生分野、労働者、真ん中世代の三つの分野での党活動・党建設の新たな努力が開始されており、それぞれを絶対に中断させずに系統的に発展させていきたいと思います。

 なかでも全党の総力を傾けてとりくみの強化をはかりたいのは、青年・学生のなかでの党建設と民青同盟の建設を確かな前進と躍進の軌道にのせることです。

 昨年、年間1500人以上という目標を超過達成した民青同盟は、今大会期は年間2000人の拡大で、前進を確固たるものとし、数万の民青を展望しようと呼びかけています。学生分野で、2年連続で党員、同盟員ともに前進に転じたことも貴重であります。ここには青年・学生のなかで起こっている前向きの変化が反映しています。

 この流れを、着実に前進させ、飛躍へと発展させていきたい。その大きなカギとなっているのが、青年・学生のなかでの党員拡大、とりわけ民青同盟のなかでの党員拡大に思い切って力をそそぐことであります。党中央委員会として民青同盟員のみなさんにあてて「入党のよびかけの手紙」を作成しました。「よびかけ」にこたえて次々と若い入党者が生まれています。党機関の責任で一人一人の民青同盟員に手渡し、読み合わせをして入党を働きかける一大運動を起こそうではありませんか。若い世代のなかでの「党勢倍加」「民青倍加」に、全党があげて挑戦しようではありませんか。

 次期党大会までに「130%の党」をつくることは、わが党の未来のみならず日本の未来を左右する歴史的事業であります。7中総の「手紙」を力に、支部・グループ、都道府県委員会と地区委員会、中央委員会が双方向で学び合い、探求し、開拓し、「130%の党」を来年1月の党大会までに必ず実現しようではありませんか。

五、統一地方選挙勝利のために――到達点と課題について

 目前に迫った統一地方選挙勝利に向けたとりくみの到達点と課題について報告します。

現時点での情勢判断について

 現時点での情勢判断についてのべます。

 この間、中央として、道府県議選、政令市議選、特別区議選、一般市議選などについて現地に入って情勢をつかむ努力をしてきました。

 現時点の到達点は、他党との激しく厳しいせめぎあいのなかで、統一地方選挙の勝利、前進の保障は築かれておらず、この間のとりくみの延長線上で推移するならば、現有議席を割り込み、少なくない議会で空白になりかねない状況にあることを、率直に報告しなくてはなりません。

現状を打開して勝利をかちとる三つのカギ

 同時に、勝利への活路はあります。現状を打開する三つのカギを訴えたいと思います。

岸田政権と正面対決、道理ある対案示す日本共産党の姿を広げ切ろう

 第一に、統一地方選挙は国政に対する審判の場にもなります。国政における岸田政権の暴政への批判、日本共産党の果たしている役割を、広い有権者のなかで語りぬくことで、勝利への活路を開こうではありませんか。

 岸田自公政権は、平和と暮らしを壊す大軍拡でも、物価高騰に対する無為無策でも、危機に乗じた党略的な原発回帰の方針でも、統一協会との癒着や「政治とカネ」の問題でも、国民の激しい批判にさらされ、「大逆風」のなかにあります。

 対照的に日本共産党は、岸田政権とあらゆる問題で厳しく対決し、平和でも、暮らしと経済でも、国民の立場に立った道理ある対案を堂々と示してたたかっています。その先駆性は、現在の政党状況のもとできわだっています。この党の姿を、全有権者の規模で広げ切るならば、勝利への活路は必ず開かれます。

党地方議員団の抜群の値打ちを確信にし、有権者のなかに広げぬこう

 第二は、党地方議員団の抜群の値打ちを全党の確信にし、それを有権者のなかに広げぬくことであります。

 多くの自治体で「オール与党」という政党配置が続いているもとで、住民の声を自治体に届ける唯一の架け橋としての日本共産党地方議員団の値打ちは際立っています。(1)子どもの医療費助成、学校給食の無償化、補聴器購入への助成など、住民の願いで政治を動かす、数々の実績をあげています。(2)「地域医療構想」の名での急性期ベッドの削減、「国保の都道府県化」の掛け声での国保料引き上げなど、国の悪政から住民を守る唯一の防波堤として、大奮闘しています。(3)カジノ誘致、豪華庁舎移転など行政の暴走をチェックし、議会の民主的運営と公開にズバリ切り込む点でも、地方政治での統一協会と政治との癒着を一掃するうえでも、かけがえのない役割を果たしています。

 ところが、こうした宝の値打ちが、まだ十分には伝わっていません。演説会などの反応でも「初めて知った」という声も少なくありません。党地方議員団の抜群の値打ちを有権者のなかに広げぬくことで勝利への活路を開こうではありませんか。

勝利への最大の活路――強く大きな党をつくりながら選挙戦をたたかいぬく

 第三は、選挙に向けても「130%の党」づくりに正面から挑戦し、党勢の大きな上げ潮をつくりだすことであります。

 今回の統一地方選挙では、かつてやったことのない新しいとりくみに挑戦したいと思います。すなわち、強く大きな党をつくりながら、選挙勝利の独自の課題をやりぬくという新たなとりくみに挑戦する覚悟をかためて選挙戦をたたかいぬこうではありませんか。支部が広く入党を働きかけることは、そのまま選挙勝利の力になります。1人の新しい党員を迎えることは、支部の空気を一変させ、新鮮な活力をえて選挙をたたかう最大の力になります。「しんぶん赤旗」読者を広げることは、選挙戦での積極的支持者を増やす活動そのものでもあります。

 「130%の党」づくりを最後まで握って離さず、3月末までの「130%の党」をめざす中間目標を必ずやりぬいて、強く大きな党をつくりながら選挙戦をたたかいぬくことにこそ、勝利への最大の活路があるということを、私は訴えたいのであります。

 現状打開の三つのカギを握った全党の奮闘で、勝利への活路をこじあけようではありませんか。

勝利のためにやるべきことをやりぬこう

 勝利のためにやるべきことは明瞭です。統一地方選挙の火ぶたが切られる知事選の告示(3月23日)までに、宣伝戦でも組織戦でも勝利に必要な課題をやりぬきましょう。すべての支部が得票目標、支持拡大目標を決め、勝利のための活動に打って出ましょう。

全有権者規模の宣伝――日本列島の津々浦々に党の風をふかせよう

 第一に、全有権者規模の宣伝を強め、日本列島の津々浦々に党の風をふかせましょう。ポスターは、有権者に党の勢いを示す最大の力となります。「ポスター第1党」になりましょう。50世帯に1枚を目標に他党を圧倒しましょう。宣伝カー、ハンドマイクなどあらゆる手段を総動員して、日本共産党の声を住民に届けましょう。ネット・SNSを、宣伝活動、選挙作戦の柱に位置づけ、中央と地方が一体になって新たな開拓と挑戦を行いましょう。

 年明けから開始される第2次全国遊説を、選挙勝利の諸課題を飛躍させる最大の跳躍台として大成功させようではありませんか。

組織戦発展のカナメ――「折り入って作戦」と「集い」をすべての支部で

 第二に、組織戦を発展させるカナメとして、「折り入って作戦」と「集い」をすべての支部の運動へと発展させましょう。

 「折り入って作戦」を、「現在の自力のもとでも勝利をつかむうえでのカナメをなす活動」とともに、読者を増やし、党員を増やす、「自力をつける運動」という面からも大いに位置づけて推進しましょう。すべての後援会員・読者、支持者に、2月末までに1回目の訴えをやりぬき、選挙本番で2度、3度と訴える運動に発展させましょう。パンフレット『「折り入って作戦」オンライン経験交流会』を生かし、この運動の持つ豊かな可能性をつかんで踏み出しましょう。「折り入って作戦」と一体に、対話・支持拡大で知事選の告示(3月23日)までに支持拡大目標を突破し、告示後は青天井で広げに広げましょう。

 すべての支部が後援会とともに選挙をたたかいましょう。地域、分野別後援会の活動を強めるとともに、JCPサポーターの活動を大きく発展させましょう。

候補者決定を最後まで追求、選対体制と臨戦態勢を確立して奮闘を

 第三に、候補者決定を最後まで追求するとともに、選対体制と臨戦態勢を確立して奮闘しましょう。

 統一地方選挙の候補者決定の状況は、6中総後に新たに211人が決まりました。決意された同志のみなさんに心からの連帯のメッセージをおくりたいと思います。同時に、現時点での決定・内定は、市区町村議で前回立候補より229人少なく、当選数よりなお56人少ない状況です。最後まであらゆる可能性と条件をくみつくして候補者擁立を追求することを訴えたいと思います。

 とりくみの現状を一気に打開し、勝利の流れをつくりだすうえで、個別選対の体制確立、毎日活動・毎日集約をすすめる臨戦態勢の確立は待ったなしであります。非常勤役員や選挙ボランティアなど党のもつ潜在的な力の総結集をはかりましょう。

 前半戦と後半戦を一体にたたかい、「同時に、独自に、相乗的に」の立場で、それぞれの勝利のための諸課題の推進をはかる態勢を確立して奮闘しましょう。

 選挙活動について熟達していくうえで、『選挙活動の手引き2023年版』を活用しましょう。選挙をたたかう募金活動を訴えましょう。

 統一地方選挙が直接ない党組織は、自らの地域で「130%の党」をめざす活動を推進するとともに、統一地方選挙をたたかう党組織への支援という二重の任務を果たしましょう。

 強く大きな党をつくりながら、統一地方選挙で必ず勝利・前進をかちとり、その力でさらに強く大きな党をつくる――全党の力を総結集して、党建設と選挙戦の好循環をつくりだすという新しい挑戦をやりぬこうではありませんか。

党創立101年の年を、党史に残る新たな歴史的前進の年に

 今年、2023年は、党創立101周年の年であります。

 新たな100年に踏み出す最初の年を、100年の党史を貫く三つの特質――「不屈性」「自己改革」「国民との共同」をさらに発展させ、「130%の党」、統一地方選挙勝利、大軍拡を許さない国民多数派づくりという三つの大仕事をやりぬき、党史に残る新たな歴史的前進の年にしていくために、知恵と力をつくそうではありませんか。

 全党の同志のみなさんが、どうか健康に留意され、新しい歴史をご一緒につくるために、元気で奮闘されることを呼びかけ、中央委員会が心一つにたたかいぬく決意をのべて報告といたします。ともに頑張りましょう。


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