しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2023年1月5日(木)

徹底追及 統一協会

安倍氏登場に信者熱狂

親は借金させられ献金

Vチューバー・信者2世 もるすこちゃん(30代)

 ネットでV(バーチャル)チューバーとして活動してきた「もるすこちゃん」(30代)=仮名=は、安倍晋三元首相の銃撃事件後、統一協会(世界平和統一家庭連合)の信者2世であることを告白しました。いま統一協会の解散や2世の救済を求めて活動を続けています。2世としての体験と思いを聞きました。(統一協会取材班)


写真

(写真)統一協会の信者家庭には開祖文鮮明、韓鶴子のカレンダーなどが飾られていることが多いといいます

写真

(写真)統一協会は先祖を供養する「先祖解怨」と称して献金の申請を信者にさせています

 もるすこちゃんの両親(いずれも70代)は、学生時代に統一協会へ入信し、集団結婚しています。ともに協会活動に専念する「献身者」でした。「両親が献金と献身したため、親元にいた20歳ぐらいまで、とにかく貧乏でした」

就職し妹に学費

 小学校低学年のときにテレビが壊れ、中学生まで買い替えてもらうことができなかったといいます。ゲームも、おもちゃもなく、服はすべておさがり。成績がよく学費免除でしたが、奨学金を借り家族の生活費に回しました。自身は大学進学をあきらめて就職。「せめて2人の妹は大学に」と、ボーナスで学費を出しました。

 両親からは「神の子」として育てられました。統一協会は集団結婚した両親の子どもを「祝福2世」と呼び、「神の子」と位置づけているからです。「私は神の子だから大きくなったらこの世を救う、と思っていました。そう考えることで貧乏のつらさから自分を救っていたのかも」

返金できるよう

 両親は一時期、統一協会の下部教会がつくった物販会社で店長をしていました。高麗ニンジン茶などを販売する協会のダミー会社で、社員はみな信者です。

 ある時、父親は教会長からテーブルに札束をポンとおかれて、こう求められました。「これを借りてあなたの献金にしなさい。店長はみなに背中を見せないといけない」。父親はその金を借りて献金したといいます。

 高齢になっても献金は続きました。2017年からの5年間で、両親は約500万円を先祖供養と称する「先祖解怨(かいおん)」で献金。いま両親の貯金は50万円程度です。

 マインドコントロール(洗脳)されている両親は、献金が世界平和のためと本気で考えているとも。「本人たちはピュア(純粋)なのです。だから統一協会にだまされる。洗脳されている親は協会に返金を求めないため、被害者救済法では2世は救われないのです。子どもが返金要求をできるようにしてほしい。そして統一協会は解散しかない」

「これはまずい」

 統一協会と癒着した政治家に怒りを感じています。協会のイベントに政治家がたびたび登場するのを見てきました。統一協会系の集会に安倍晋三元首相が送ったビデオメッセージも、銃撃事件より前に見ていました。

 安倍氏の登場に、信者たちは異様な盛り上がりをみせたといいます。当時の様子を振り返りながら、こう憤ります。「これはまずいと思いました。信者は自分たちの活動が元首相に認められているととらえます。政治家は自分たちが統一協会の行事に顔を出すことで、信仰がどれだけ強化されているか知るべきです」


pageup