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2023年1月4日(水)

徹底追及 統一協会

不動産買いあさり保有

施設購入で広がる被害

寄付・贈与での獲得も

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(写真)2022年12月に「贈与」で統一協会の所有となった施設=横浜市青葉区

 統一協会(世界平和統一家庭連合)の日本本部は、霊感商法や高額献金で集めた資金の多くを韓国の協会本部に送金し、本拠地の豪華宮殿建設や世界での活動に充てていることが分かっていました。

 今回の「しんぶん赤旗」統一協会取材班と日本共産党国会議員団の調査で、日本国内でも不動産を買いあさり93施設を保有していることが明らかになりました。

 統一協会が不動産購入を加速したのは2011~22年にかけてです。この時期に一体何があったのか―。

 統一協会は07年ごろから10年代にかけて霊感商法を捜査当局から摘発されました。このため統一協会は霊感商法から信者に高額献金をさせる手法に変更しています。協会が不動産を買いあさった時期は、高額献金の被害が増えていく時期と重なります。

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(写真)統一協会の「東京同胞家庭教会」やダミー団体が入居するビル=東京都新宿区

購入の方が得

 統一協会の内情を知る元信者は、この時期に日常活動の拠点である「教会」の数が増えたわけではないと言います。急に不動産を取得するようになった理由については、「施設が借家だと将来的には損失が多く、地方などでは購入したほうがよいという話が出ていた」と証言します。

 他方、大都市とその周辺でも多くの不動産を取得しています。東京・千葉・埼玉・神奈川の1都3県には17施設。愛知県、大阪府には、それぞれ6施設あります。

 都市部は地価が高いので購入する際には、統一協会が宗教法人格を持っていることが有利に働きます。宗教活動に使う本殿などの施設は、固定資産税、不動産取得税、登録免許税が非課税になるからです。

税優遇も活用

 寄付、贈与で得た不動産が多いのも特徴です。1992~2022年にかけて、13施設を寄付、贈与で獲得しています。統一協会はマインドコントロールした信者に不動産を譲渡させてきましたが、その“成果”が表れているといえます。

 直近では、安倍晋三元首相の銃撃事件後である22年12月5日に横浜市青葉区の土地と建物が寄付されています。土地は約479平方メートル、建物は地下1階地上2階の鉄筋コンクリート造りです。寄付者は、91年に金融機関から借りた2億1500万円を寄付の約9カ月前までに弁済。その上で寄付をしています。

 統一協会は違法な霊感商法や高額献金などで集めた資金で、税金優遇も活用し施設を増やしてきました。その施設とは信者をマインドコントロールする場でもあります。施設を買うことでも、使うことでも被害者が増えていく構図です。

返済の原資 政府は保全を

 宗教2世問題ネットワーク副代表で統一協会の信者2世でもある山本サエコさん(仮名)の話

 統一協会が93施設もの不動産を入手していること、それらに不動産所得税や固定資産税が掛からないことに驚いています。協会に献金しすぎて困窮した両親のために、私は奨学金を生活費に回しました。今も奨学金を返済しています。結果的にみれば私の返済が統一協会の資産になったのと同じことです。被害者への返済の原資となる不動産を、協会が隠さないよう政府は保全をしっかりとしてほしい。


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