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2022年12月29日(木)

きょうの潮流

 「敵基地攻撃というが実際にやるのは難しい…」。元自衛隊幹部は厳しい表情をみせました▼岸田政権が推進する敵基地攻撃能力の保有に話が及んだときでした。日本には攻撃目標をつかむ能力が足りず、米軍に頼るしかない。だが、「米軍は必ず情報をくれるわけではない。くれるのは、米国が自分の国益にかなうと考えたときだけだ」▼彼が語る「困難」は、それだけではありません。「敵基地攻撃で日本への攻撃を抑止するというが、かえってエスカレートすることだってある」。敵基地攻撃は逆に日本へ危険をもたらすことになりかねない。軍事を現場で知る立場から投げかける根本的な疑問です▼敵基地攻撃をめぐる議論でとりざたされるのは「台湾有事」です。しかし、関係する中国、台湾、米国のいずれも戦争を望んでいるわけではありません。日本国民もそうです。世論調査では「台湾有事」の際、「自衛隊が米軍とともに戦う」ことに「反対」は74・2%に達します(新聞通信調査会、11月12日発表)▼とくに心配なのは、日本が攻撃されていなくても米軍が始めた戦争で集団的自衛権行使として敵基地攻撃に踏み出すこと。日本弁護士連合会は首相に提出した意見書で「壊滅的な打撃を受けるのは、米国でも、あるいは相手国として想定される軍事大国でもなく、最前線に位置する日本」だと警告します▼国民のなかで不安や批判が広がっています。こんな危険な大軍拡は許さない。新しい年をこの一点で共同を広げる年にしたい。


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