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2022年12月28日(水)

主張

秋葉復興相の更迭

辞めるべきは岸田首相自身だ

 統一協会との関係や「政治とカネ」問題で追及されていた秋葉賢也復興相が辞表を提出し、事実上更迭されました。岸田文雄政権で4人目の閣僚辞任です。LGBTQなど性的少数者への差別的言動などが批判されてきた杉田水脈総務政務官も辞職しました。政務三役としての資格が疑われていた秋葉氏と杉田氏の更迭は当然で、むしろ遅すぎます。首相の任命責任は重大です。問題が明らかになって罷免を求める声が相次いだにもかかわらず、続投させた責任も厳しく問われます。岸田内閣は総辞職し、首相は退陣すべきです。

あまりにも遅すぎる

 秋葉氏は8月の内閣改造で初入閣する時、統一協会について会費などの接点は一切ないと明言していました。ところが11月に公表された政治資金収支報告書では、統一協会側に「会費」として年間2万4000円を支払っていたことが判明しました。統一協会との「関係を断つ」とした首相の方針にも明確に反します。先の国会で野党の質問に秋葉氏は、会費でないと苦しい説明に終始しました。

 「政治とカネ」をめぐっても、親族に約1500万円を事務所費として支払っていたことや、秘書が選挙の際に車上運動員として報酬を受け取っていたことなどが問題になり、国会で繰り返し、ただされました。政治資金規正法や公職選挙法に違反する疑いは極めて濃厚ですが、秋葉氏は、法律に違反することはしていないと居直り続けました。辞任したからといって、国民に真相を説明する責任から免れることはできません。

 LGBTQなどの人に「生産性がない」と差別的な寄稿を雑誌にするなどして批判を浴びた杉田氏については、そもそも岸田氏が政務官に起用したこと自体が問題です。首相は先の国会で杉田氏について「職責を果たす能力を持った人物と判断した」と述べ、自身の判断を正当化しました。その判断がどう変わったのか、首相は明確に説明すべきです。

 岸田内閣では10月に山際大志郎前経済再生担当相が、11月には葉梨康弘前法相と寺田稔前総務相がすでに辞任に追い込まれています。わずか2カ月余りで4人もの閣僚が辞めることは異常事態です。政権を運営する能力を失っているという他ありません。

 「政治とカネ」で問題を抱える閣僚は残されています。寺田氏の後任の松本剛明総務相には政治資金パーティーの疑惑があり、岡田直樹地方創生相には公選法違反が指摘されています。井野俊郎防衛副大臣は公選法違反とともに、統一協会との深い癒着も問題になっています。統一協会と接点のある政務三役が数多くいること自体、大問題です。

疑惑にフタは許されない

 暮れも押し迫る中で、秋葉氏と杉田氏を更迭したのは、1月召集の通常国会での追及を免れるためとされています。国会運営に支障がでるからとトカゲのしっぽ切りによって、疑惑や癒着の解明にフタをすることは極めて不誠実です。真相の究明を求める国民の声にも真っ向から反します。国民の信頼を得るには、数々の疑惑を徹底的に調査し、責任を明確にすることです。それをできない政権にこれ以上政治を任せることはできません。大軍拡や大増税を強行するなどもってのほかです。


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