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2022年12月27日(火)

主張

自公政権復帰10年

国民との矛盾広げる暴走政治

 安倍晋三氏が首相に指名され自民、公明両党が政権復帰した2012年12月26日から10年です。安倍氏から菅義偉氏、岸田文雄氏へ政権は引き継がれましたが、行き詰まりが深刻です。「政治とカネ」と統一協会との癒着が批判された秋葉賢也復興相は辞任の方向となり、岸田首相の任命責任がまたも問われる事態です。一方で自公政権は、安保法制の強行をはじめ、「戦争国家づくり」に突き進み、憲法と立憲主義の破壊が極まっています。敵基地攻撃能力の保有や大軍拡を推進する方針は、もはや自公政権に政治が任せられないことを浮き彫りにしています。

戦争準備に拍車をかける

 自公政権復帰10年の最大の問題は、アメリカの起こす戦争に日本が参戦する体制づくりを一気に加速させていることです。

 岸田政権は「専守防衛」を完全に投げ捨てる「安全保障3文書」を決定し、戦後の安保政策を大転換させました。源流は、安倍首相が14年に一片の閣議決定で集団的自衛権行使を容認し、それに基づいて15年に強行した安保法制です。安保法制で法制面を整備し、それを自衛隊が実践面で担うことを狙ったのが、今度の「3文書」です。安倍氏が敷いたレールの上で戦争準備に拍車をかけ、大軍拡に費やす巨大な国費を国民に強いる政治を許してはなりません。

 安倍首相は秘密保護法なども強権的に成立させ、憲法蹂躙(じゅうりん)と立憲主義破壊を進めました。しかし、17年に宣言した“9条に自衛隊を明記した改憲を20年に実現する”という明文改憲スケジュールは、「安倍改憲ノー」の世論の広がりで阻まれました。平和と民主主義を踏みにじる暴走政治に大義のないことは明らかです。

 政権批判の高まりとコロナ感染拡大の中で退陣した安倍氏に代わり20年、菅首相が政権に就きました。日本学術会議の会員任命拒否やコロナ対応の無為無策に批判が集まり、1年余りで退きました。岸田首相は、国民の声を「聞く力」を売り物に登場しましたが、安倍政権でも実現できなかった巨額な軍事予算を編成するなど危険な姿があらわです。安倍首相が口にできなかった原発新増設も正式決定し、「原発ゼロ」を願う国民の声に真っ向から逆らっています。

 安倍政権の経済政策「アベノミクス」も10年で破綻が明瞭です。大企業の内部留保は法人税減税などで膨れ上がり、大金持ち優遇によって格差と貧困は拡大しました。安倍政権下での2度にわたる消費税増税は、国民の購買力を奪い、消費を冷え込ませ日本を「成長しない国」に落ち込ませました。いまの日本の経済的な苦境は、コロナだけが原因ではありません。「アベノミクス」から決別し、大幅賃上げと消費税減税によって経済再生をはかることが不可欠です。

疑惑・私物化を解明せよ

 「森友・加計・桜を見る会」疑惑に象徴的に示された安倍政権の国政私物化・モラル崩壊にも岸田政権は反省がありません。統一協会と最も関係が深かった安倍氏の調査も拒み続けています。

 自公政権復帰10年の岸田政権と国民との矛盾の広がりは、内閣支持率の急落に鮮明に表れています。閣僚の入れ替えをいくら重ねても、国民の信頼は取り戻せません。力を合わせて岸田政権を退陣に追い込むことが急務です。


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