2022年12月26日(月)
きょうの潮流
コロナ禍で3度目となる年末年始。感染拡大のなか、大勢の移動が予想されています。このままでは医療がひっ迫しかねないと、全国知事会はワクチンの促進や自宅療養者への支援強化を国に求めました▼インフルエンザとの同時流行もいわれ、気が抜けない日々が続きます。免疫学者の小野昌弘さんは『パンデミックの「終わり」と、これからの世界』で、感染爆発を終わらせるために重要な課題を三つあげています▼経済・社会的な不平等の解決。英国の調べでは死亡率の高かった人の多くが貧困地域に住んでいました。格差や不平等に起因する問題を放置してきたツケが多数の犠牲者となって現れているといいます▼持続可能で対応力のある医療体制の構築。重症患者の急増は医療の提供や従事者に深い爪痕を残しました。日本をはじめ、先進国の多くが医療費を削り余裕のない医療体制にしてきた結果でもあると専門家は指摘します▼免疫の働きが弱い「コロナ弱者」も安心してくらせる社会へ。免疫不全の疾患をもつ人は、社会が正常化しても感染症に用心しなければなりません。いまは健康な人も、いつ「ガラス」の向こう側に行くか、わからない。コロナ弱者が安心してくらせる社会は、健康な人たちにとってもそうだと▼コレラ大流行に直面したマルクス、エンゲルスが未来社会の展望を開いたように、人類の先駆者たちはパンデミックと格闘しながら、よりよい社会をつくるために力を尽くしました。その先にある希望をめざして。








