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2022年12月26日(月)

アイヌの生活改善進まず

紙議員質問主意書に政府答弁書

他の日本人との間に収入など格差

施策推進法施行後も政府は無策

写真

(写真)紙智子議員

 日本共産党の紙智子参院議員が提出した「全国的な視点にたったアイヌの経済的・社会的状況の取り組みに関する質問主意書」(9日)に対し、政府は20日、答弁書を決定しました。

 「北海道以外アイヌの生活実態調査―作業部会報告書」(アイヌ政策推進会議、2011年)によると、世帯年収が300万円未満の割合は、北海道以外に住むアイヌが44・8%、北海道内居住のアイヌが50・9%であるのに対し、アイヌ以外の全国平均(国民生活基礎調査)は33・2%と、明らかな収入格差が見られます。

 紙氏は、アイヌ施策推進法は「アイヌの人々が北海道のみならず全国において生活していることを踏まえて全国的な視点に立って行われなければならない」としていることから、収入格差をどのように分析しているかと質問。答弁書は「歴史的経緯に起因するアイヌの人々と他の日本人との間の生活や教育面での格差が指摘されている」と回答しました。アイヌ施策推進法を受けて全国的なアイヌ生活実態調査を実施するのかとの問いには、「現時点で検討していない」と答えました。

 年金制度に加入していない、もしくは年金を受給していない比率は、北海道以外のアイヌで18・6%、北海道内で8・3%。無年金者が発生した要因を分析したのかとの問いに、答弁書は「分析していない」「無年金者への支援措置は講じていない」と回答しました。

 国連の「先住民族の権利に関する宣言」は、先住民族の社会保障を改善するよう求めていますが、アイヌ施策推進法施行後、何ら改善されていないことが明らかになりました。


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