しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2022年12月25日(日)

主張

疑惑・癒着の解明

国民の声に背を向けたままだ

 政治資金パーティーの収支を巡る疑惑で衆院議員を辞職した薗浦健太郎氏(自民党離党)が、東京地検特捜部に略式起訴されました。実際のパーティー収入より約4100万円少なく政治資金収支報告書に記載するなどした政治資金規正法違反の罪です。岸田文雄政権下で「政治とカネ」問題が続発していることに、国民の不信は高まる一方です。統一協会との関係の究明に背を向けていることにも批判が集まっています。岸田首相は数々の疑惑や癒着の説明を議員任せにし、責任を果たそうとしません。徹底解明を求める声に逆らう首相の姿勢は重大です。

説明責任果たさず無反省

 薗浦氏は議員辞職の際、「私にも一定の責任がある」などと記した簡単な紙一枚を出しただけで記者会見を開きませんでした。11月末の会見では、自身の関与を全面否定していました。一転して関与を認めたことに説明はありません。4000万円を超える資金の使途も不明です。過少記載以外の政治資金疑惑も判明しています。議員を辞めて済む話ではありません。

 薗浦氏は、麻生太郎副総裁の側近として引き立てられ、安倍晋三政権で首相補佐官、外務副大臣などを務めました。同氏を登用してきた自民党の責任も問われます。

 政治資金処理や選挙運動員買収をめぐる多くの疑惑を追及されて辞任した寺田稔前総務相も、真相について口を閉ざしたままです。閣僚辞任で幕引きはできません。寺田氏の後任の松本剛明総務相には、会場収容人数を超える政治資金パーティー券を販売していた政治資金規正法違反の疑惑があります。政治資金を所管する総務相が2人続けて「政治とカネ」で適格性が問われる異常事態です。

 岸田首相にも昨年の総選挙の選挙運動費用収支報告書に宛名などのない領収書が多く添付されていることが判明しました。井野俊郎防衛副大臣には公選法違反の疑いが強まっています。疑惑のまん延は岸田政権の構造的問題です。

 自民党と統一協会とのただならぬ関係を築いてきた安倍元首相の調査をはじめ、全容解明を行わない姿勢も大問題です。

 首相は、政治資金疑惑と統一協会問題を抱える秋葉賢也復興相を交代させる意向だと報じられています。来年1月召集の通常国会で、野党の追及をかわしたい思惑だとされます。親族への事務所費の支払い問題や、秘書が昨年の総選挙で選挙運動の報酬を受け取っていた疑惑、統一協会関連団体への「会費」支出の発覚など、秋葉氏に閣僚の資格がないことは明白です。しかし、先の臨時国会で岸田首相は、本人が説明を尽くすとして秋葉氏の罷免をかたくなに拒んできました。秋葉氏を擁護した責任を免れることはできません。

岸田内閣は総辞職せよ

 岸田政権では寺田前総務相だけでなく、山際大志郎前経済再生担当相が統一協会問題で、葉梨康弘前法相が死刑制度での暴言で辞任しました。もはや政権の体をなしていません。閣僚の罷免や交代を繰り返しても、政権への国民の怒りは消えません。疑惑や癒着の解明に動かない政権が、軍拡に突き進み、大増税を国民に押し付けることに批判が強まっています。

 メディアの世論調査で内閣支持率は低落の一途です。岸田政権は総辞職すべきです。


pageup