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2022年12月25日(日)

きょうの潮流

 ニューヨークの小学校時代に感じた人種差別。学生時代の挫折や友情。銀行員のときに味わった社会の矛盾。そして、父親の選挙にかかわって目の当たりにした政治の現実▼政治家をめざしたいと思った岸田首相の経験です。世の中には理不尽なこと、おかしなことがたくさんある。変えなければならない、守っていかなければならないことも。国や社会にかかわるこうした事柄に自分は直接かかわりたいと(『岸田ビジョン』)▼このところ、なにか吹っ切ったように政治の方向を次々と転換していく首相。支持率低落や批判の声もお構いなしに大軍拡や原発推進へかじを切り、突き進む。その常軌を逸した姿をみて改めて著書を繰ってみました▼あきれたのは、いま実行していること、これから現実にしようとしている日本の行く末と、描いたビジョンがあまりにもかけ離れていることです。うわべだけの「信念」さえも投げ捨てみずからぶち壊そうとしています▼もっとも、政権が誕生したときから“安倍政治”のレールの上に乗っていたのですから、いまのむちゃくちゃな政治も彼にとっては既定の路線だったか。延命をはかるうえでも▼自民、公明が政権に復帰してからあすで10年。経済は冷え込み、平和が脅かされ、人びとの生活は苦しくなるばかり。それに深くかかわってきた首相が最近よく口にするフレーズがあります。「いまを生きるわれわれの責任」。その言葉を言うなら、自公政権を転換することこそ将来世代への責任でしょう。


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