2022年12月24日(土)
「安保3文書」 軍拡招く
「専守防衛」を否定
立憲デモクラシーの会声明
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立憲主義の回復を目指し幅広い研究者でつくる「立憲デモクラシーの会」は23日、国会内で記者会見し、敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有などを明記した「安保3文書」について「東アジアにおける緊張を高め、軍拡競争を招く」として反対する声明を発表しました。
声明は「抑止力」について、相手国に攻撃を断念させる保証はなく、「逆にさらなる軍拡競争をもたらし、安全保障上のリスクを高める」と指摘。「先制攻撃」と「反撃」の区分が極めて不明確であり、「『専守防衛』という従来の日本の防衛政策の基本理念を否定するものと言わざるを得ない」と批判しました。さらに、岸田文雄政権が7月の参院選では争点とせず、臨時国会でも国会と国民に説明しておらず、手続きにも問題があると強調しました。
記者会見で、東京大学の石川健治教授は安保3文書について「露骨に『敵』や『攻撃』という観点が打ち出されているが、周辺国の危機意識を高めただけだ」と述べ、「閣議決定で決め、法整備や財源を後付けしている」と岸田政権の立憲主義破壊を批判しました。
上智大学の中野晃一教授は「日米同盟のもとで自衛隊と米軍が限りなく一体化する中で出てきたものだ。米国が選ぶ戦争を米軍の指揮下で日本がたたかうことになる」と指摘。「今後の安全保障を白紙から考え直すべきだと世論を喚起していきたい」と語りました。
会見には他に、法政大学の山口二郎教授(同会共同代表)、東京外国語大学の西谷修名誉教授、早稲田大学の長谷部恭男教授が出席しました。