2022年12月24日(土)
自衛隊艦船などに建設国債4343億円
これまでの政府見解を反故
政府は2023年度予算案で、自衛隊の艦船、潜水艦、施設建設に建設国債4343億円を充てることを盛り込みました。政府は当初、建設国債を自衛隊施設に充てる方針を示していましたが、装備品にまで対象を広げました。
巨額の国債発行が侵略戦争の拡大につながった戦前・戦中の歴史の反省を踏まえ、戦後制定された財政法は、国が野放図な借金漬けに陥らないよう国債発行に厳しい規制を設けています。その上で同法は、国の歳出は「公債又は借入金以外の歳入」を財源とし、例外として公共事業などのために国会が議決した金額の範囲で公債(建設国債)を発行できると定めています。
政府はこの建設国債を悪用し、16日に決定した「防衛力整備計画」で「自衛隊施設等」に充当する方針を決めました。ところが、海上保安庁の巡視船などに建設国債を充てていることを悪用し、艦船、潜水艦まで拡大しました。
そもそも、国債を軍事費に充てることは「軍事費の財源として公債を発行することはしない」(1966年の福田赳夫蔵相答弁)としてきた政府見解を反故(ほご)にするものです。国債の流用に手を染めれば、軍事費拡大の歯止めはなくなり、かつてたどった戦争への道の繰り返しになる危険があります。