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2022年12月23日(金)

社会保障

自然増1500億円圧縮

来年度 財務・厚労相が合意

 2023年度予算編成をめぐる閣僚折衝で、鈴木俊一財務相と加藤勝信厚生労働相は21日、高齢化などで当然増える社会保障費の伸び(自然増)を約1500億円圧縮することで合意しました。コロナ禍で深刻な人手不足などに苦しむ医療・介護体制の抜本的拡充に背を向け、社会保障費の抑制ありきの姿勢を示しています。

 概算要求で見込んでいた約5600億円を約4100億円に抑制します。圧縮分の約1500億円は主に三つの国民負担増・給付削減で賄います。

 一つ目は、薬の公定価格「薬価」の市場価格を踏まえた引き下げです。引き下げ分は本来、医療体制の拡充に充てるルールでしたが、「自然増」削減を優先させます。23年度は2年に1度の通常改定の間の中間年で、引き下げ対象は医薬品目全体の48%。国費は722億円の削減となります。

 二つ目は75歳以上の高齢者の医療費窓口負担(原則1割)に10月から導入された2割負担です。単身世帯で年収200万円以上などが基準です。23年度から通年実施となるため、今年度より多くなる半年分の削減額、国費数百億円を「自然増」削減に充てます。

 三つ目は、コロナ対策で雇用調整助成金(雇調金)の上限額を引き上げていた特例措置の段階的縮小です。雇調金は、従業員を休ませて休業手当を支払った企業に対し手当の一部を助成する制度。1人1日当たり1万2000円だった上限を、12月から9000円に引き下げるなどしています。感染拡大の波が続くもとでも国費は数百億円の削減となります。

 「自然増」削減は、安倍政権時の13年度から23年度までの合計で2兆3000億円を超えることになります。


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