しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2022年12月22日(木)

加工原料乳生産者補給金の改定答申

コスト増大対応できず

きょうオンラインで集い

写真

(写真)畜産業の危機を訴える人たち=11月30日、農水省前

 農林水産省の食料・農業・農村審議会による2023年度の加工原料乳生産者補給金の水準などについての答申(14日)について、各地の酪農家から厳しい批判の声が広がっています。

 加工原料乳生産者補給金は飲用乳と比べて買い取り価格の低い加工用乳の出荷を支援する制度です。審議会は、1キログラムあたり同補給金を8円26銭から8円69銭(40銭増)とするよう答申。また、乳業工場から遠い条件不利地含む地域からの集送乳を行う事業者に交付する集送乳調整金は2円59銭から2円65銭(6銭増)に改定するよう答申しました。

 一方で補給金交付の対象となる数量は15万トン削減しました。そのため、総額はほとんど変わりません。

 農林水産省の「農業物価統計」(11月30日公表)によると、配合飼料価格は前年同月比で23・8%上昇。生乳は0・4%下落しています。コスト増大には遠く及んでいません。

 農民連の長谷川敏郎会長は「補給金・調整金を合わせても引き上げ額は1円に届きません。飲用乳の引き上げも1キログラムあたり10円にとどまり、どちらも現在の畜産・酪農の危機に対応できない金額です」と指摘。「この改定に全国から怒りの声が広がっています。22日にオンラインで行う生産者と消費者が一緒に政府に対策を求める集会を成功させたい」と語っています。

 日本共産党の田村貴昭衆院議員、紙智子参院議員は質問で対策を求めるとともに、13日には、野村農水相に、補給金を再生産可能な水準に引き上げることなどを要求しました。

 農民連は、引き続き、農林水産大臣に農家の声を直接届ける「畜産経営を継続するための緊急要望書」への協力を呼びかけています。


pageup